Elektronの違い|現行10機種を録音・音源・価格で選び分ける

机の上に黒い音楽機材が6台、2列に並んだイラスト。上段の3台は同じ大きさで、下段は横に長い機材と、左側に大きなパッドが12個並ぶいちばん大きな機材
4コマ漫画: 同じ顔に見える黒い機材が並んで戸惑う初心者が、打ち込みはどれも同じだと気づき、違いは録音できるかどうかだと分かって、録れる1台を選ぶ

この記事でわかること

  • 現行10機種の価格・重量・トラック数
  • 全機種に共通するもの(=Elektronを選ぶ理由)
  • 録音できる機種・できない機種の一覧
  • 最初の1台をどう選ぶか

まず、全機種に共通するもの

Elektronの機材は、音源がまるで違っても打ち込みの操作がほぼ同じです。Digitakt IIを覚えた人がDigitone IIを買うと、初日から曲が組めます。共通するのは次の4つです。

  • パラメータロック — 1ステップごとに、つまみの値を記録できる。3ステップ目だけフィルターを閉じる、5ステップ目だけ音を短くする、といった書き分けができます
  • コンディショナルトリグ — 「4周に1回だけ鳴る」「前のトリグが鳴ったときだけ鳴る」という条件をステップに付けられます。同じ4小節が毎回わずかに変わります
  • マイクロタイミング — ステップを前後にずらして、機械的でないノリを作ります
  • 同じ操作体系 — ボタンの押し方、パターンの保存、キットの考え方が全機種で揃っています

つまり比較の焦点は「シーケンサーの出来」ではありません。そこはどれを買っても同じです。違うのは「何を鳴らす機械か」と「録れるか」の2点に絞られます。

Elektron公式による Digitakt II の概要動画です(日本語の字幕つき)。本文で比べている10機種は、どれもこのシーケンサーの作法を共有しています。パラメータロックやコンディショナルトリグが実際にどう動くのかを、まずここでつかんでから機種を選ぶと、差分が見やすくなります。

買ったあとにも機能が増える

Elektronは無償のOSアップデートで機能そのものを足してきます。カタログの仕様が数年後に変わる、と考えたほうが実態に近いです。

直近の例が Syntakt です。発売時はサンプルを扱えませんでしたが、2026年4月のOS 1.40で「SP TWINSHOT」というデュアル・サンプルプレイヤーが追加され、サンプルを鳴らせるようになりました。同じ更新でキートラッキングや新しいトリグ条件も加わっています。

つまり中古で買った古い個体でも、最新のOSを入れれば最新の機能が使えます。初代Digitaktや初代Digitoneが中古で狙える理由のひとつでもあります。逆に言えば、この記事の一覧も時間が経てば変わるということです。購入前にはElektron公式のリリースノートで最新のOSを確認してください。

現行は10機種。価格と重量で並べる

価格は当サイトが調べた新品の相場です(2026年8月17〜18日確認)。重量はElektron公式の製品ページに記載された値です(2026年8月20日確認)。

機種発売新品相場重量ひとことで言うと
Model:Samples2019年69,300〜72,900円0.80kg最安・最軽量。サンプルを鳴らす6トラック
Model:Cycles2019年68,800〜74,800円0.80kg同じ筐体のFM音源版
Digitone II2024年10月179,800〜190,000円1.48kgFM音源。16トラック・16ボイス
Digitakt II2024年4月184,800〜189,900円1.48kgステレオ録音つき。16トラック
Syntakt2022年4月189,900円1.53kgデジタル8+アナログ4の12トラック
Analog Heat +FX2022年199,800〜214,900円1.5kg音源ではなく加工専門
Tonverk2025年9月238,400〜264,900円1.85kg自動サンプリング搭載の新世代
Octatrack MKII2017年9月279,800〜296,900円2.3kg4入力・8トラックの実験機
Analog Four MKII2017年309,800〜331,700円2.4kg唯一のアナログ4声シンセ
Analog Rytm MKII2017年314,800円2.4kgアナログ+サンプルのドラム機

Elektronには電池で動く機種がありません。Model:Samples/Cyclesだけが別売のBP-1 Power Handleで電池運用できます。それ以外は全機種ACアダプター必須です。外に持ち出す前提なら、ここが最初の関門になります。

純正のバッテリーグリップは、いま入手できません

Model:Samples/Cyclesを電池で動かす純正アクセサリーとしてBP-1 Power Handleがありましたが、2021年11月にリコールされています。電源コード内部の配線が短絡して過熱するおそれがあり、火災・やけどの危険があるという理由です。回収と全額返金の対象で、後継品も出ていません。

カナダ政府のリコール告知(2021年11月3日)
※ 海外の公的機関のページです。当サイトのアフィリエイトリンクではありません。

つまりいまのElektronに、純正の電池運用の手段はありません。Modelシリーズを外で使うならUSBモバイルバッテリーから5Vを取ることになりますが(センタープラス・3.5×1.35mm・5V・1A)、純正の解決策ではないので自己責任の領域です。

系統は4つに分かれる

サンプルを鳴らす機械

Digitakt IIOctatrack MKIITonverkModel:Samples、そしてSyntakt。自分で音を持ち込む機械です。ただしModel:Samples と Syntakt は再生専用で、本体では録音できません。パソコンから Elektron Transfer で送り込んで使います。

音を合成する機械

Digitone II(FM)、Analog Four MKII(アナログ)、Model:Cycles(FM)。本体の中で音を作ります。外から音は入れられません。

両方を持つ機械

SyntaktAnalog Rytm MKII。デジタル音源とアナログ音源を1台に積んでいます。Syntaktは2026年4月のOS 1.40で「SP TWINSHOT」というサンプルプレイヤーが加わり、サンプルも鳴らせるようになりました。ただし本体で録音(サンプリング)はできません。音はパソコンから送り込みます。Analog Rytm MKIIは入力からの録音までできます。

加工だけをする機械

Analog Heat +FX。音源もシーケンサーも持たず、通した音をアナログ回路で歪ませ、色を付けます。1台目に買う機種ではありません。

何ができて、何ができないか

横にスクロールできます。「録音」は本体でサンプリングできるか、「再生」は外から持ち込んだサンプルを鳴らせるかです。

機種録音再生アナログ音源トラックOverbridgeCV重量
Digitakt II ステレオ×16×1.48kg
Digitone II×××16×1.48kg
Syntakt× OS1.40〜 4トラック12×1.53kg
Octatrack MKII 4入力×8+MIDI8××2.3kg
Tonverk 自動サンプラー×8(計16)△ ベータ×1.85kg
Analog Four MKII×× 4声4+FX+CV 出力42.4kg
Analog Rytm MKII 8ボイス12+FX×2.4kg
Model:Samples××6××0.80kg
Model:Cycles×××6××0.80kg
Analog Heat +FX××○ 回路8種—(FX)△ 入力のみ1.5kg

Overbridgeはパソコンと繋いで、各トラックを個別の音声としてDAWに流し込む仕組みです。公式に対応しているのは Analog Four/Analog Rytm/Analog Heat/Digitakt/Digitone/Syntakt の系列で、Octatrack MKII と Model シリーズは対応しません。Tonverkは2026年3〜5月にプライベートベータの募集が出た段階で、正式対応ではありません。

選び分けの軸は4つ

1. 録れる必要があるか

いちばん大きな分かれ道です。ギターや声、家にあるレコード、他の機材の音を自分で取り込みたいなら、録音できる機種を選ぶしかありません。

Digitakt IIOctatrack MKIITonverkAnalog Rytm MKII の4機種です。ここを外すと、あとから足すには機材をもう1台買うことになります。

2. アナログか、デジタルか

アナログ回路を持つのは Analog Four MKII・Analog Rytm MKII・Syntakt・Analog Heat +FX です。残りはすべてデジタルです。

ただし「アナログだから良い音」ではありません。太さや歪み方の質が違うだけで、きらびやかなFM音源が欲しいならDigitone IIのほうが目的に合います。値段はアナログ機のほうが10万円以上高くなるので、必要かどうかは先に決めておいたほうが安全です。

3. 何トラック要るか

6トラック(Model)、8トラック(Octatrack・Tonverk)、12トラック(Syntakt・Rytm)、16トラック(Digitakt II・Digitone II)と幅があります。

1台で曲を完成させたいなら12以上、他の機材と組むなら6〜8でも足ります。Digitakt IIとDigitone IIの16トラックは、オーディオにもMIDIにも割り当てられるので、外部機材を鳴らす係を兼ねられます。

4. 難易度 — Octatrackだけ別枠

Octatrack MKIIレビュー|『初心者が買うな』の王様 でも書いたとおり、Octatrackは他のElektron機とは操作の考え方が違います。クロスフェーダーとシーンで場面を切り替える、トラックが「マシン」として振る舞う、といった独自の設計で、共通の操作体系がそのまま通用しません。

2017年発売で情報は多いのですが、日本語の資料は少なく、公式マニュアルの日本語版は古いバージョンのままです。最初の1台としては勧めません。2台目以降で、明確にやりたいことがある人向けです。

Digi三兄弟は同じ筐体

Digitakt II・Digitone II・Syntakt は、寸法がまったく同じ 215×176×63mm です。重さも1.48kg/1.48kg/1.53kgとほぼ同じ。机の上での占有面積が読めるので、2台目を足すときに置き場所で悩みません。

価格も179,800〜189,900円とほぼ横並びです。つまりこの3台の選択は、値段でも大きさでもなく、純粋に「何を鳴らしたいか」で決まります。

  • サンプルを録って刻みたい → Digitakt II
  • きらきらした音や和音が欲しい → Digitone II
  • ドラムを1台で完結させたい → Syntakt

中古で狙う初代Digitakt/Digitone

初代Digitakt初代Digitone は生産完了ですが、中古の流通量が多く、7〜10万円台で手に入ります。現行機の半額以下でElektronの操作体系を試せる、いちばん安い入口です。

初代Digitaktはサンプル再生がモノラル(ステレオ再生はDigitakt IIから)、サンプルメモリは64MB。初代Digitoneは4トラック・8ボイスです。現行機と比べれば制限はありますが、パラメータロックもコンディショナルトリグも同じように使えます。

では、どれを買うか

こういう人向いている機種理由
まず1台、安く試したいModel:Samples/Cycles7万円前後・0.8kg。別売グリップで電池運用も可能
中古で安くElektronを知りたい初代Digitakt/Digitone7〜10万円台。操作体系は現行機と同じ
自分で録った音で曲を作りたいDigitakt IIステレオ録音つきで16トラック。最初の1台として無理がない
和音やメロディを鳴らしたいDigitone II16ボイスのFM音源。4種の音源マシン
ドラムを1台で完結させたいSyntaktデジタル8+アナログ4の12トラック
アナログのキックが要るAnalog Rytm MKIIアナログ音源+サンプルを重ねられる
アナログのシンセが要るAnalog Four MKII4声アナログ。CV出力4系統でモジュラーと繋がる
ライブで場面を切り替えたいOctatrack MKIIクロスフェーダーと16シーン。ただし難易度は最高
最新の自動サンプリングを使いたいTonverk楽器を繋ぐと音域別に自動で多重サンプル化

購入・価格を見る

安い順に並べています。枠内の価格は当サイトが調査した相場で、販売価格ではありません。実際の価格と在庫は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Model:Cycles

Elektron Model:Cycles

新品相場
¥68,800〜¥74,800
中古相場
オークション ¥45,000〜¥52,500

2026-08-17 時点の調査(デジマート等の新品出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Model:Samples

Elektron Model:Samples

新品相場
¥69,300〜¥72,900
中古相場
店頭 ¥54,800 / オークション ¥22,000〜¥46,500

2026-08-17 時点の調査(デジマート等の新品出品・楽器店の中古出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Digitone(初代)

Elektron Digitone(初代)

新品相場
相場データなし
中古相場
店頭 ¥69,300〜¥79,800 / オークション ¥56,100〜¥60,000

2026-08-18 時点の調査(楽器店の中古出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Digitakt(初代)

Elektron Digitakt(初代)

新品相場
相場データなし
中古相場
店頭 ¥98,000 / オークション ¥50,000〜¥76,000

2026-08-18 時点の調査(楽器店の中古出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Digitone II

Elektron Digitone II

新品相場
¥179,800〜¥190,000
中古相場
店頭 ¥162,800 / オークション ¥141,900〜¥158,000

2026-08-17 時点の調査(デジマート等の新品出品・楽器店の中古出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Digitakt II

Elektron Digitakt II

新品相場
¥184,800〜¥189,900
中古相場
オークション ¥133,100〜¥161,000

2026-08-17 時点の調査(デジマート等の新品出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Syntakt

Elektron Syntakt

新品相場
¥189,900
中古相場
オークション ¥118,000〜¥120,000

2026-08-17 時点の調査(デジマート等の新品出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Analog Heat +FX

Elektron Analog Heat +FX

新品相場
¥199,800〜¥214,900
中古相場
オークション ¥169,000

2026-08-18 時点の調査(デジマート等の新品出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Tonverk

Elektron Tonverk

新品相場
¥238,400〜¥264,900
中古相場
相場データなし

2026-08-17 時点の調査(デジマート等の新品出品)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Octatrack MKII

Elektron Octatrack MKII

新品相場
¥279,800〜¥296,900
中古相場
オークション ¥180,000〜¥190,000

2026-08-17 時点の調査(デジマート等の新品出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Analog Four MKII

Elektron Analog Four MKII

新品相場
¥309,800〜¥331,700
中古相場
店頭 ¥242,000

2026-08-18 時点の調査(デジマート等の新品出品・楽器店の中古出品)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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Elektron Analog Rytm MKII

Elektron Analog Rytm MKII

新品相場
¥314,800
中古相場
店頭 ¥242,000 / オークション ¥180,000

2026-08-17 時点の調査(デジマート等の新品出品・楽器店の中古出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

買う前に確認したいこと

  • 打ち込みの仕組みは全機種ほぼ同じ。迷う理由は「何を鳴らすか」と「録れるか」だけ
  • Elektronに電池駆動の機種はない。Modelシリーズだけが別売グリップで電池運用可
  • Syntaktは再生はできるが録音はできない。OS 1.40でサンプルプレイヤーが付いた
  • Octatrack MKII は Overbridge に対応しない。Modelシリーズも同様
  • Octatrackだけ操作体系が別。最初の1台には勧めない
  • アナログ機は10万円以上高い。必要かどうかを先に決める
  • 初代Digitakt/Digitoneは中古7〜10万円台。操作を覚える目的なら十分

この記事は公開されているメーカー資料と国内販売店の情報をもとに書いています。実機での検証は行っていません。音の質感、操作の慣れやすさ、実際の制作の流れなど、触らないと分からない部分については書いていません。

画像について: アイキャッチは各メーカーの製品写真を参考に、形状・配色・ボタンの配置をなぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。

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