機材名:ESI Xsynth担任:Mr. Nano
| 科目 | 評価 | 担任所見 |
|---|---|---|
| 持ち運びやすさ634g・バスパワー | 5たいへん よくできました | ノートPCの隣が定位置の体格です。 |
| 表現力ポリアフタータッチ | 4 | この学費と体格でポリAT対応は立派です。 |
| 録音の出口24bit/96kHz IF内蔵 | 4 | 音源と録音口が1台にまとまっています。 |
| 音作りの自由度つまみ少なめ | 2 | 作り込みは画面とメニューの世界になります。 |
| 音質・音の個性 | 3 | 実直なバーチャルアナログです。 |
634gでポリアフタータッチと10ボイスとオーディオインターフェースまで積んだ25鍵です。移動先で音を出す道具として全部入り。音を深く作り込みたい人には、つまみの少なさが壁になります。
5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。
「出張セット一式」
出張の多い音楽家のカバンを覗くと、この25鍵が入っています。
634グラム。鍵盤、音源、録音口、全部この1枚です。
ホテルの机で電源はUSB-C。モバイルバッテリーでも働きます。
「音作りは?」と聞くと、出張者は笑って言います。「それは家に帰ってからやる仕事です」。
この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。
この記事でわかること
- 鍵盤・シンセ・MIDI・オーディオIFの4役を1枚にまとめた構成
- この価格でポリフォニック・アフタータッチという点
- 27mm・634gという薄さと軽さ
- DAWLESSで使うときの注意(MIDIが3.5mm)
- 国内相場44,550〜49,500円/2025年6月27日発売
1枚の板に、4つの役を詰めた
ESI Xsynth は、ドイツの ESI Audiotechnik が2025年6月に出した厚さ27mm・634gの25鍵キーボードです。
鍵盤であり、音源であり、MIDIインターフェースであり、オーディオインターフェースでもあります。普通ならMIDIキーボードと音源とオーディオIFで3台になるところを、1枚にまとめています。
音源を内蔵しているので、単体でも音が出ます。パソコンにつながなくても、ヘッドホンを挿せば鳴ります。そのうえでUSB-Cでパソコンに繋げば、オーディオインターフェースとしても働く。どちらの使い方も選べるのが、この機材の性格です。
ESI公式によるデモです。プリセットを切り替えながら音を出していくので、この価格帯の機材がどのくらいの音を出すのかの見当がつきます。
仕様のポイント
- 25鍵(フルサイズ幅・奥行きは短い)。ベロシティ対応で、ポリフォニック・アフタータッチに対応
- 10ボイスのポリフォニー
- 音源はサンプルROMを土台にしたバーチャルアナログ(減算合成)
- オシレーター3・LFO3・AHDSRエンベロープ3・モジュレーションマトリクス16スロット・エフェクト3系統+EQ
- 512音色(128×4バンク)
- 24bit/96kHzのオーディオインターフェース(クラスコンプライアント)。音源の出力と外部入力をパソコンに直接録れる
- 出力はヘッドホンとラインが3.5mm、入力はAUXが3.5mm
- MIDI入出力は3.5mm
- USB-Cのバスパワーで動作(電源アダプター不要)
- 本体: 387×148×27mm・634g
- 付属ソフト: Bitwig Studio 8-Track、Steinberg Cubasis LE、WaveLab Cast、音色エディター
ポリアフタータッチが、この価格で乗っている
ここがこの機材のいちばんの特徴です。アフタータッチは、鍵盤を押し込んだ強さで音を変える仕組みです。多くの機材が持っているのはモノフォニック・アフタータッチで、どの鍵を押し込んでも、全部の音がまとめて変わります。
ポリフォニック・アフタータッチは、鍵ごとに別々に効きます。和音を押さえたまま、1音だけを押し込んで揺らす、といった演奏ができます。
この機能は普通、10万円を超える機材に載るものです。5万円以下、しかも厚さ27mmの機材に入っているのは異例です。当サイトが扱ったMellotron Micro Moduleもポリアフタータッチに対応していますが、あちらは鍵盤を持たない音源側でした。
DAWLESSで使うときの注意
MIDIの入出力が3.5mmです。5ピンDINではないので、手持ちの機材とつなぐには変換ケーブルが要ります。
さらに3.5mmのMIDIにはType-AとType-Bという2つの配線の流儀があり、同じ端子でも挿せば動くとは限りません。MIDI・オーディオ・クロックの違いに整理したとおりです。Xsynthがどちらの規格かは、2026年8月21日時点の公開資料では確認できませんでした。他の機材とつなぐ予定があるなら、購入前に販売店へ確認してください。
逆に、単体で完結させるなら気にする必要はありません。内蔵音源をヘッドホンで鳴らすだけなら、ケーブルは要りません。
どんな人に合うか
合うのは、持ち運びを前提に考えている人です。634g・27mmは、ノートパソコンと一緒に鞄へ入ります。電源もUSB-Cのバスパワーなので、モバイルバッテリーでも動きます。移動先で音を出すための道具として、必要なものが全部入っています。
合わないのは、音を作り込みたい人です。オシレーター3基とマトリクス16スロットという構成は決して貧弱ではありませんが、本体につまみが並んでいるタイプの機材ではありません。細かい音作りはエディターソフト(=パソコン)が前提になります。
机の上の据え置きの構成に足すなら、優先度は下がります。薄さと軽さのために払った代償が、そのまま操作子の少なさになっているからです。
購入・価格を見る
国内代理店はディリゲントで、市場想定価格は49,500円(税込)です。枠内の価格は当サイトが調査した相場で、販売価格ではありません。
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ESI Xsynth
- 新品相場
- ¥44,550〜¥49,500
- 中古相場
- 相場データなし
2026-08-21 時点の調査(国内代理店ディリゲントの市場想定価格と販売店の実売)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。
この記事は公開されているメーカー資料と国内代理店・販売店の情報をもとに書いています。実機での検証は行っていません。ポリアフタータッチの効き方、鍵盤の感触、内蔵音源の質感など、触らないと分からない部分については書いていません。3.5mm MIDIがType-AとType-Bのどちらかは、公開資料で確認できませんでした。
画像について: アイキャッチはメーカーの製品写真を参考に、形状・配色・鍵盤やボタンの配置をなぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。
次に読む
- 鍵盤なしで音色を足すなら → 鍵盤のない音源モジュール4台|2万円台から12万円台まで
- 3.5mm MIDIのA/B問題 → MIDI・オーディオ・クロックの違い。配線入門
- 同じ25鍵のコントローラー → MiniLab 3とは|25鍵にパッドとフェーダーを載せた1kg
- 最初の1台を選ぶなら → グルーヴボックスとは。最初の1台で確認する7項目
- 同じコントローラーを比べるなら → 押す・なぞる・弾く・叩くMPEコントローラー、Aodyo Loom。買収後に開発再開、2026年秋の生産を目標に
出典
- ESI Audiotechnik 公式 Xsynth(仕様・端子・寸法・付属ソフト)
- ディリゲント(国内代理店)Xsynth 製品ページ
- 島村楽器 Digiland「ESI Xsynth」(国内での紹介)
- Rock oN「ESI Xsynth 6月27日発売」(発売日)
- 国内相場は2026年8月21日確認。相場は変動します
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
