この記事でわかること
- 基板そのものがクジラの形をしたタッチ楽器の中身
- ルーパー・シンセ・サンプラー・ドラムを1枚に載せた「アンビエント用ワークステーション」という割り切り
- Kickstarter結果: 5,840ユーロ・37人(目標3,125ユーロ・2026年9月2日のKS表示)、50台が生産中
- 個人開発ゆえの注意点。国内取扱なし
クジラの背中を触ると、音が変わる
Nérée(ネレー)は、フランス・オーヴェルニュのKorallum Atelier No.1——実態は開発者Rouchaud Yvain氏の個人工房——が作る楽器です。プリント基板そのものをクジラの形に切り出し、24枚の静電容量タッチ板を演奏面にしました。触れれば音が出て、押す強さで音色や濃さが変わり、指の動きでピッチや空間が揺れます(Kickstarter)。
中身は欲張りで、4トラックのルーパー(ライブ録音・オーバーダブ・同期・前後エフェクト)、ベース/プラック/アンビエント/メタリック/オーガニックのシンセエンジン、SDカードから鳴らす最長12秒のモノサンプラー、16ステップ5トラックのドラムシーケンサー、カラー・スペース・タイム・グリッチ・ノイズレイヤーなどのエフェクト。つまみは1つ、小さな画面が1つ。「ソファで、PCなしでアンビエントを作る」ことに全振りした設計です。
開発者本人のチャンネルの紹介動画です。クジラ型の基板を指で触って音が変わる場面が1分にまとまっています。
仕様のポイントと、Kickstarterの規模
- 24パッドの静電容量タッチ面(ノート・圧力・動き)、ノブ1・ディスプレイ1、スタンドアロン動作
- サンプラー: SDのモノWAV再生、8/16/24/32bit対応、最長12秒
- シンセ: 複数エンジン(ウェーブテーブル・アルゴリズム系)、圧力での演奏を前提
- ルーパー4トラック、ドラム16ステップ×5トラック、エフェクト多数、テルミン風グライド
- Kickstarter: 2026年3月5日開始。初日限定130ユーロ、通常210ユーロ。36時間で目標達成。最終5,840ユーロ/37人(2026年9月2日のKS表示)
- 状況: 2026年7月末「50台を生産中、予定より早く届く見込み」、ベータ機を試用者へ配送中。9月にソフトウェア改善。寸法・重量・電池の詳細は未公表
うちの機材で言えば
音の方向はうちのTemperaやlemondropに近い、アンビエント・テクスチャ寄りの箱です。違うのは、それをルーパーとドラムごとクジラ1枚に載せて210ユーロという値付け。
ただし支援者37人、生産50台という規模は、このサイトで扱ったクラファンの中で最小です。ファームウェアの更新・故障時の対応・数年後の保守は、1人の開発者の手にかかっています。価格の魅力と引き換えに、そこを引き受ける買い物だと理解して選ぶのが健全です。
いま買える場所
Kickstarterは終了し、2026年9月2日時点で新規の購入窓口は確認できません。開発者のYouTube/InstagramとKickstarterの更新欄が最新の情報源です。国内取扱はありません。
Kickstarter(Nérée・終了・経過報告)
Korallum Atelier No.1 公式YouTube
※ 海外サイトです。当サイトのアフィリエイトリンクではありません。
Kickstarterは予約販売ではなく支援です。届く保証も返金の約束も通販より弱く、出荷予定は「予定」として読むのが安全です。国内代理店はなく、届いても個人輸入扱いになります。
この記事は公開されているメーカー資料と国内販売店の情報をもとに書いています。実機での検証は行っていません。音の質感、つまみの感触など、触らないと分からない部分については書いていません。
画像について: アイキャッチはメーカーの製品写真を参考に、形状・配色・つまみやボタンの配置をなぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。実機の姿は本文の公式動画でご覧ください。
次に読む
- アンビエントの触る楽器 → Beetlecrab Tempera
- 個人開発の別の例 → Edgehog Systems EH-01
- 海外から買う前に → 日本で機材を買う前に。技適・PSE・保証・並行輸入
出典
- Kickstarter プロジェクトページ(支援額・人数・生産状況、2026年9月2日確認)
- SYNTH ANATOMY(2026年3月・仕様と価格)
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
