機材名:Access Virus TI2担任:Mr. Nano
| 科目 | 評価 | 担任所見 |
|---|---|---|
| 音質・音の個性デジタルの完成形 | 5たいへん よくできました | この系譜の音は、いまも代わりが利きません。 |
| 音作りの自由度 | 4 | 作り込みの深さは往年の旗艦の名に恥じません。 |
| 維持・サポート生産終了 | 1 | 修理と部品の入手は保証されません。覚悟の同居です。 |
| 拡張性・将来性TI連携の先行き | 2 | DAW連携機能の将来は不透明。単体音源として見るべきです。 |
| 入手しやすさ中古のみ | 2 | 新品の席はなく、中古市場でのご縁になります。 |
デジタルシンセの終着点と呼ばれた大先輩です。音の貫禄はいまも一級ですが、生産終了から時間が経ち、サポートの今後が読めません。TI連携目当ての入学はお勧めしません。
5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。
「終着点と呼ばれた男」
ご依頼の品は、デジタルシンセの終着点と呼ばれた1台。
拝見します。……音は本物です。この貫禄は現行機では出せません。
ただし申し上げねばなりません。工場は既に閉まり、部品の保証はありません。
評価は「音は買い、老後は自己責任」。介護の覚悟がある方にだけ、お譲りください。
この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。
この記事でわかること
- Virusというシンセが何をしてきたか
- TI2の4つの形(Desktop/Polar/Snow/Darkstar)
- 生産終了後も値段が落ちない理由
- 中古の落札相場190,000〜227,000円(2026年8月22日・ヤフオクの落札相場)
あの音の出どころ
Access Virus は、ドイツのAccess Music が作ってきたデジタルシンセです。TI2シリーズは2009年3月に登場し、Desktop(卓上型)、Polar(37鍵)、Snow(小型)、Darkstar の4つの形で出ました。
2000年代から2010年代のトランス、EDM、ドラムンベースの「あの音」の多くが、この機材から出ています。分厚く、鋭く、音程が動くリードと、うねるベース。ソフトシンセが十分に強くなった後も、Virusは使われ続けました。
TIは Total Integration の略で、パソコンのDAWと深く連携する仕組みです。USBでつなぐと、DAW上のプラグインとして扱えました。——この仕組みは、DAWLESSの文脈では使いません。単体の音源として見ても、この機材は十分に強いからです。
生産終了
Accessは2024年ごろにTI2の生産を終えたことを認めています。後継機は出ていません。
これが中古相場を押し上げています。ヤフオクの落札は平均20万3千円(19万〜22万7千円)。15年以上前の機材が、当時の新品価格に近い値段で取引されています。
なぜ代わりがないのか
音の設計が独特だからです。多くのバーチャル・アナログ機はアナログの再現を目指しますが、Virusはアナログには出せない鋭さのほうへ振れています。
そして、ソフトでの代替が出ていません。Accessはソフト版を出しておらず、同じ音を出したければ実機を買うしかない、という状態が続いています。
DAWLESSで使うなら
Desktop(卓上型)が現実的です。鍵盤が要らず、置き場所も取りません。シーケンサーを別に持っているなら、KeyStep Proのような司令塔から鳴らせば、単体の音源として完結します。
ただし、20万円をこの機材に使うかどうかは慎重に。同じ予算があれば、Elektronの現行機が2台買えます。「Virusの音でなければならない」理由がある人向けの機材です。
注意しておくこと
メーカーのサポートが今後どうなるかは不透明です。生産終了から時間が経っており、修理や部品の入手は保証されません。
TI(DAW連携)の機能は、今後のOSでどうなるか分かりません。この機能を目当てに買うのは勧めません。単体の音源として見てください。
中古で買うときに見ること
この機材は生産終了品です。新品では買えないため、中古の相場を書いています。個体ごとに状態が違うので、保証の有無、付属品、動作確認の範囲を必ず確認してください。
- フェーダーやつまみのガリ(回したときのノイズ)が無いか
- ボタンとパッドの反応。効きの悪い場所が無いか
- 液晶の焼き付き・欠け
- 電源アダプターが付属するか(純正が入手できない機種がある)
- 本体のOSのバージョン。古いままだと機能が足りないことがある
- 保証の有無。楽器店の中古は保証が付くことが多く、個人売買は付かない
購入・価格を見る
新品では買えません。枠内の価格は当サイトが調査した中古の相場で、販売価格ではありません。中古は在庫が入れ替わるので、リンク先は検索結果になります。
【PR】以下は広告(アフィリエイトリンク)です。価格・在庫は各店舗でご確認ください。
Access Virus TI2
- 新品相場
- 相場データなし
- 中古相場
- ¥190,000〜¥227,000
2026-08-22 時点の調査(ヤフオクの落札相場)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。
価格はヤフオクの落札相場(直近120日)です。楽天やAmazonに出ている中古は、転売業者が付けた値のことが多く、実際に売れている値段とはかけ離れます。楽器店の中古は保証が付くぶん、落札相場より高くなります。
この記事は公開されているメーカー資料と国内販売店の情報をもとに書いています。実機での検証は行っていません。音の質感、つまみの感触など、触らないと分からない部分については書いていません。
画像について: アイキャッチはメーカーの製品写真を参考に、形状・配色・つまみやボタンの配置をなぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。実機の姿は本文の公式動画でご覧ください。
次に読む
- 現行のデジタルシンセ → Arturia MiniFreakとは
- 音源モジュールという選択 → 鍵盤のない音源モジュール4台
- 予算20万円の他の選択肢 → Elektronの違い|現行10機種
- 買う前に読む → 日本で機材を買う前に。技適・PSE・保証・並行輸入
- ポリAT対応73鍵の旗艦 → ASM Hydrasynth Deluxeとは|ポリフォニック・アフタータッチの旗艦73鍵
出典
- Access Virus(シリーズ構成・TI2の登場時期)
- MOD WIGGLER のスレッド(生産終了の告知に関する議論)
- ヤフオク 落札相場(直近120日・平均約20万3千円)
- 中古相場はヤフオクの落札相場(2026年8月22日確認)
【PR】本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。
当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています。Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。掲載内容や評価が広告によって歪められないよう、広告表記ポリシーに定めた基準で運営しています。
この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
