
この記事でわかること
- ADEPTの要点(3つの再生ヘッドという考え方)
- 分かっている仕様と、まだ分かっていないこと(開始日・通貨・目標額)
- うちの所有機材で言えばどこに当たるか、支援する前に考えること
同じフレーズが、3つの違うパートになる
ADEPT(Analog Digital Event Processing Timelineの略)は、オーストラリア・ビクトリア州トーキーの新興メーカーAARMTECが作るスタンドアロンのMIDI+CVシーケンサーです。Kickstarterのプロジェクトページはすでに公開されていますが、2026年8月18日の時点では「ローンチ間近」の表示で、支援はまだ始まっていません(Kickstarter)。
中心にあるのは「3つの再生ヘッド」という考え方です。1本のトラック(最大32ステップ)を、オレンジ・イエロー・ブルーの3つのヘッドが同時に読みます。それぞれ速さ(÷1、÷2、÷3など)、向き(順方向・逆方向)、ループの振る舞い、出力先(MIDI OUT 1〜3、USB、CV/Gate)を別々に持てるので、1つ打ち込んだフレーズが、ずれながら重なる3つのパートになります。ポリリズムやフェイズ音楽のような構造を、シーケンスを複製せずに作る設計です。
音符だけでなく、変調も「描く」対象です。MODUトラックではタッチ画面に曲線を指で描いて、他のトラックのタイミングや確率、ベロシティ、ゲートに送れます。2つの図形をAND・OR・XORなどの論理で組み合わせるLOGIC DRAWというモードもあり、単純な形から複雑に変化する変調を作れます。
公式サイトにデモ動画の埋め込みがありますが、YouTube側で公開状態が確認できなかったため、この記事には埋め込んでいません。実機の動きはAARMTEC公式サイトのデモと、Instagram(@aarmtec)の日々の機能紹介動画でご覧ください。
メーカー公式による全体の説明です。1つの譜面を3つのヘッドで別々に読む、という仕組みが実際に動いている様子が見られます。
分かっていること
- 3つの再生ヘッド(オレンジ/イエロー/ブルー)。各ヘッドに独立したクロック分周・方向・ループ・MIDIとCVの出力先・変調
- トラック最大12本。KEYS(音程)/DRUM(1トラック16パート)/MODU(変調曲線)の3種類。1ヘッドあたり1〜32ステップ
- 再生モード: NORMAL・METRICAL・STOCHASTIC・RANDOM・CUBE SEQ(4×4×3の立体グリッドを3ヘッドがXYZで読む)
- モディファイア: KEYS 35種超(コード・ラチェット・アルペジオ・トランスポーズ・スケールモーフ・グリッチスライス等)、DRUM 16種、MODU 5種
- XPLAY: CONDUCTOR/TRANSITION/CROSSFADE/LIVE PLAY/ARRANGE(最大12シーン)/MIX(12本の演奏スライダー)
- 入出力: MIDI DIN IN×3・OUT×3、USB-C MIDI、CV/Gate OUT×2、CV IN×1、TRIGGER IN×1。V/Oct・Hz/V・1.2V/Oct、V-Trig・S-Trig・volca 2PPQ、DIN Sync(Roland 12/24・KORG 24/48)に対応
- 操作系: カラータッチTFT、エンコーダー4個、ヘッド別の色ボタン3個+白ボタン、ジョイスティック。ARM STM32H7(480MHz)
- プロジェクト100件保存。ブラウザで動くWebエディタ(USB接続・インストール不要・.adeptファイルの入出力)。ファームウェア1.46(マニュアル2026年8月4日改訂)
- Kickstarter: 早期枠450〜650ドル、キャンペーン後の小売は700ドル超の見込み。ユニットの出荷は「9月ごろ」。開始日・通貨(米ドルか豪ドルか)・目標額は未公表(2026年8月18日確認)
うちの機材で言えば
うちの司令塔はOXI ONE MKIIとTorso T-1です。OXIは「たくさんのトラックをきっちり動かす」箱、T-1は「サイコロを振って偶然を呼ぶ」箱。ADEPTはその中間で、「打ち込んだ1本を、読み方を変えて増やす」箱です。同じ素材から関係のあるパートを生む発想は、どちらとも違います。
MIDI OUT 3系統とCV/Gate 2系統、DIN Syncまで持つので、うちのように古い規格の機材が混ざるセットでも受け皿になります。一方で、まだ支援が始まっていない新興メーカーの初プロジェクトです。Kickstarterは予約販売ではなく支援で、出荷の遅れや仕様変更はよくあります。「9月ごろ」という見込みも、開始前の目安として読むのが安全です。
国内代理店の情報はなく、届くとしても個人輸入と同じ扱いになります。ACアダプターや技適の考え方は、海外通販の記事にまとめてあります。
次に読む
- うちの司令塔 → セットの指揮者、OXI ONE MKII
- 偶然を呼ぶ相棒 → サイコロを振る相棒、Torso T-1
- Kickstarterの別の例 → Nopia MK1、9月15日にKickstarterで予約開始。799ドル(約12.7万円)・登録者は630ドル(約10万円)
- 海外から買う前に → 日本で機材を買う前に。技適・PSE・保証・並行輸入
- 同じくKickstarterで出る小型機 → ユークリッドで刻む8音のドラムマシン、Oficina de Sonido Clave。9月17日にKickstarter開始
出典
- Kickstarter プロジェクトページ — 概要・接続仕様・「ローンチ間近」の状態(2026年8月18日確認)
- AARMTEC 公式サイト — 3ヘッドの仕様・価格帯・出荷見込み(2026年8月18日確認)
- ADEPT User Manual(FW 1.46) — トラック種別・ステップ数・モディファイア・XPLAY・入出力の詳細
この記事はKickstarterのプロジェクトページとメーカー公式サイト・マニュアルを2026年8月18日に確認して書いた新製品紹介です。支援開始前の情報のため、価格・仕様・出荷時期は変わる可能性があります。実機は未検証で、当サイト運営者は所有していません。
画像について: アイキャッチはメーカー公式サイトの実機写真を参考に、形状・配色・配置を忠実になぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
