機材名:Westlicht Performer/Turing Machine担任:Mr. Nano
| 科目 | 評価 | 担任所見 |
|---|---|---|
| 教材性回路と思想 | 5たいへん よくできました | シーケンサーの中身を、手で理解できます。 |
| 性能Performerは本気の8trk | 4 | 組み上がれば市販機に伍する頭脳です。 |
| 導入コスト部品代のみ | 4 | 腕さえあれば、破格の人件費です。 |
| 組み立て本格はんだ付け | 1 | 入学試験が実技です。 |
| 入手・サポート | 2 | 基板と部品の調達も自己責任の校風です。 |
自分で組むシーケンサー2種です。Performerは組めれば市販機級の8トラック、Turing Machineは回路の思想が教材。はんだごてが入場券の、オープンソースの校舎です。
5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。
「自作の卒業制作」
この訓練校の卒業制作は、シーケンサーの完成品です。
教材は回路図と基板。講師はコミュニティ。授業料は部品代。
卒業生が組んだPerformerは、市販機と並べても遜色ありません。
中退率が高いのだけが、この校風の玉に瑕です。
この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。
この記事でわかること
- 自分で組むシーケンサー2つ、Westlicht PerformerとTuring Machineの紹介
- 仕様の要点と、どんな人に合うか
- 公式動画つき。所有機材との比較の視点も
買うのではなく、組む
この記事の2つは、店で買う機材ではありません。Westlicht Performerは、スイスのSimon Kallweitが2019年に公開したユーロラックのシーケンサーで、8トラック×16シーケンス×64ステップ、CV出力8とGate出力8、CV入力4、MIDIとUSBホスト、256×64のOLED。ファームウェアはMIT、ハードウェアはCC BY-NC-SA(非商用)で公開され、本人は「商業製品ではない趣味のプロジェクト」と明言しています。部品はBOMから自分で調達し、ビルドガイドは初心者非推奨。第三者が組んだ完成品がReverbやEtsyに出ることがあります(Performer公式)。
Music Thing Modular Turing Machineは、英Tom Whitwellが2012年に公開した「ランダム・ルーピング・シーケンサー」です。16ビットのシフトレジスタにノイズを流し込み、大きなノブでランダムからループ固定、2倍長のループ、少しずつ変わる状態まで動かします。保存はできず、同じ列には戻れない、という思想。2016年にMk IIになり、Thonkのキットで105ポンドから(確認時点で在庫切れ)。この回路はMutable InstrumentsのMarblesなど多くのモジュールに影響を与え、派生のAfter Later Audio「Alan」はbeatsvilleで29,900円(在庫あり)です(Music Thing Modular公式)。
国内での正規流通はどちらもなく、Performerはヤフオクで50,000円の落札例(2026年5月)、Turing Machineの国内中古は不明です(2026年8月18日確認)。
Turing Machineの設計者Tom Whitwell本人のチャンネルにある動画です。ランダムなCVがループに固定され、少しずつ変わっていく仕組みと、拡張モジュールが見られます。Performerには公式動画がありません。
仕様のポイント
- Westlicht Performer: 8トラック×16シーケンス×64ステップ、ノート/カーブ、アルペジエーター、ユークリッド、確率。CV OUT×8(±5V)/Gate OUT×8/CV IN×4、Clock/Reset IN/OUT、MIDI IN/OUT(TRS)、USBホスト(Launchpad対応)、microSD
- Performer: 256×64 OLED、エンコーダー、32ボタン(2色LED)。34HP・奥行25mm、+12V 100mA/-12V 15mA。ファームウェア 0.1.42(2022年6月、コミュニティfork多数)。MIT/CC BY-NC-SA
- Turing Machine Mk II: 16ビットシフトレジスタ+ノイズ源によるランダムCV。大ノブでランダム⇄ループ固定⇄2倍長⇄slip、LENGTH 2〜16ステップ、SCALE、WRITE、Clock IN、CV IN、Pulse OUT、CV OUT
- Turing Machine: 10HP・奥行33mm、+12V 40mA。基板2枚、拡張(Pulses/Voltages/Volts)を裏で駆動。オープンソース(派生: Alan、Vert、Permutation、Marblesに影響)
- 入手: Performerは自作か第三者ビルド(Reverb 約430ドルの例)。Turing MachineはThonkキット £105〜(在庫切れ)、派生Alan 29,900円(beatsville在庫あり)
- 国内正規流通: どちらもなし。中古: Performer ヤフオク落札 50,000円(2026年5月)/Turing Machine 不明
どんな人に合うか
「シーケンサーの中身を知りたい」「はんだごてを持つ理由が欲しい」人に。Performerは本気の8トラック機で、組めれば市販機に負けません。Turing Machineは回路の思想そのものが教材です。
うちのOXI ONE MKIIはPerformerと同じ8系統のCV/Gateを持ち、Torso T-1はTuring Machineと同じ「偶然を呼ぶ」側。つまりこの2つは、うちの司令塔2台の「自分で組める版」に当たります。
初心者非推奨のビルド、在庫切れのキット、国内流通なし。DAWLESSの机に置く前に、ユーロラックのケースと電源、そしてはんだ付けの練習が要ります。急がない人向けの記事です。
次に読む
- うちの司令塔 → セットの指揮者、OXI ONE MKII
- うちの偶然係 → サイコロを振る相棒、Torso T-1
- 同じDIYの入口 → 波形をずらすDIYモジュール、Neutral Labs Meg
- 同じシーケンサーを比べるなら → Bela Trailsとは|指の軌跡をCVで記録する
出典
- Westlicht Performer 公式ページ/GitHub — 仕様・ライセンス
- Music Thing Modular Turing Machine 公式ページ/Thonk(キット) — 仕様・キット価格・在庫(2026年8月18日確認)
- beatsville(After Later Audio Alan) — 派生モジュールの国内価格(2026年8月18日確認)
この記事は未所有機材の紹介記事です。仕様はメーカー公式資料等で確認しています(確認日: 2026年8月18日)が、実機での検証は行っていません。実機を入手した場合は、別途レビュー記事として書き直します。
画像について: アイキャッチは実機の写真を参考に、形状・配色・配置を忠実になぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
