Strymon BigSky MXとは|12種のリバーブを2台同時に使える、卓の空間係

strymon-bigsky-mx のイラスト
2026年度DAWLESS機材 通信簿資料評価|実機検証前

機材名:Strymon BigSky MX担任:Mr. Nano

科目評価担任所見
空間の深さ12機種×2台同時5たいへん
よくできました
短い部屋と長い空を別々に持てます。
外部からの操作MIDI 3口4曲の区切りで空間を変える配線が組めます。
卓での置きやすさステレオ・17cm幅4Digitakt II の横に収まります。
守備範囲リバーブのみ2ディレイもピッチもありません。
電源の気楽さ9V 500mA2ペダル用の小さな電源では足りないことがあります。
財布への圧120,000円2内蔵リバーブで我慢してきた人ほど、値札で正気に戻ります。
総合評価4/5

12種のリバーブを2台同時に走らせる空間専用機です。卓の最後段に置くと、内蔵リバーブの物足りなさが一気に片づきます。ただしリバーブ以外は何もしないので、1台で空間系をまとめたい人には向きません。

5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。

空間係増員の件

起案。当卓の残響は各機の内蔵1系統に依存しており、曲の後半で空が足りない。

必要経費、120,000円。備考欄に「ディレイは含まず」と書くと決裁が止まるため、備考欄は空欄とする。

効果の見込み。持続音1つで曲が終わったように聞こえる。曲が完成したかどうかは別問題である。

決裁者の所見。先月のOutbox 8の稟議と同じ筆跡である。

この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。

この記事でわかること

  • 初代BigSkyから何が変わったか。2台同時と10秒IRの意味
  • 12種のリバーブ機種の性格と、卓で使うときの選び方
  • ステレオ・MIDI・電源。グルーヴボックスの後ろに置くときの条件
  • 国内120,000円(2026年8月31日・サウンドハウス)、米国679ドル

初代から10年。処理能力が3倍になった

BigSkyは2013年に出たStrymonのリバーブ専用機で、ギター界隈では「空間の最上位」として長く売れた製品です。MXはその2024年の後継。中身の計算機が800MHzの3コアARMに変わり、初代では1つしか動かせなかったリバーブを2つ同時に走らせられるようになりました。直列、並列、左右で分ける、の3通りです。

もう一つの追加がインパルス応答。実際の部屋や機材の残響を録った波形を読み込んで、その空間を再現する方式です。最長10秒のステレオIRを扱え、スタジオ機材の長い残響を録った22本が最初から入っています。自分で録ったIRも入れられます。

画面は高コントラストのOLEDに変わり、つまみは7個が横一列。初代を触ったことがある人なら配置はほぼ同じで、違うのは「奥に2台目がいる」ことです。

Strymon公式のCloud機種のサンプルです。残響が粒になって漂う本文の説明は、この映像の持続音を聴くのがいちばん早い。

12種の機種。何に使うか

機種性格卓での出番
Spring / Plate / Chamber / Hall / Roomスタジオの定番5種ドラムやシンセに部屋を足す土台
Impulse録った空間を再現する特定のホールや機材の残響がほしいとき
Nonlinear減衰が自然でない、ゲート系80年代のドラムの残響
Magnetoテープエコー由来の揺れた残響パッドやリードに古い質感
Chorale声のように動く持続音を合唱に変える
Bloomゆっくり立ち上がるアンビエントの土台
Shimmer残響がオクターブ上に昇る1音を空の広さにする
Cloud残響が粒になって漂う音の輪郭を溶かす

12種のうち7種が新規、5種が初代から改良されたものです。2台同時の使い方として公式が挙げているのは、短いRoomで実体を作ってから長いCloudで奥行きを足す、のような重ね方。1台の残響を長くするより、短いものと長いものを別々に持つほうが混ざりが濁りません。

DAWLESS卓に置く条件

  • ステレオ入出力。グルーヴボックスの左右出力をそのまま受けて、ミキサーやレコーダーへ渡せる
  • MIDIはTRS・DIN・USB-Cの3口。プリセット切替とつまみの遠隔操作がCCでできる。シーケンサーから曲の区切りでリバーブを変える使い方が成立する
  • 電源は9Vセンターマイナス、500mA以上。ペダル用の小さな電源では足りないことがある
  • 大きさ17.2×12.7×4.8cm。Digitakt II より一回り小さい
  • 300プリセット。曲ごとに空間を保存して呼び出せる
  • 国内120,000円(2026年8月31日・サウンドハウス)、米国679ドル

気をつける点。入力はギター向けのハイインピーダンス対応なので、ラインレベルの機材を挿すときは入力レベルの設定を見直す必要があります。また、これはリバーブ専用機です。ディレイやピッチ系はありません。1台で空間系をまとめたい人は、次のH90のほうが向いています。

卓での置き方

Digitakt IISyntaktのような、内蔵リバーブが「あるけれど1系統」の機材の後ろに置くと、内蔵側を短い部屋に、BigSky MXを長い空間に分ける役割分担ができます。ステレオの出口はBlueboxのようなミキサー兼レコーダーで受けるのが素直です。

MIDIで曲ごとにプリセットを切り替えるなら、シーケンサー側からプログラムチェンジを送ります。配線の考え方はMIDI・オーディオ・クロックの違い。配線入門に書いています。CV入力はありませんが、8出力箱のOutbox 8のような機材からMIDI経由で操作する構成は組めます。

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Strymon BigSky MX

新品相場
¥120,000
中古相場
相場データなし

2026-08-31 時点の調査(サウンドハウス)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

この記事は公開されているメーカー資料と国内販売店の情報をもとに書いています。実機での検証は行っていません。音の質感、つまみの感触など、触らないと分からない部分については書いていません。

画像について: アイキャッチはメーカーの製品写真を参考に、形状・配色・つまみやボタンの配置をなぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。実機の姿は本文の公式動画でご覧ください。

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出典

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