機材名:Eventide H90 Harmonizer担任:Mr. Nano
| 科目 | 評価 | 担任所見 |
|---|---|---|
| 守備範囲74アルゴリズム | 5たいへん よくできました | ピッチも空間も変調も入っています。 |
| 2台への同時対応4in/4out | 5たいへん よくできました | モノ2系統で2台ぶん働きます。 |
| 同期と切替DIN MIDI+USB-C | 4 | プログラムチェンジで曲ごとに変えられます。 |
| 演奏中の操作つまみ2個+画面 | 2 | 7つまみ横一列の機種より手が届く範囲が狭い。 |
| 電源の互換12Vセンタープラス | 2 | 9Vのペダル電源から取れません。 |
| 財布への圧159,500円 | 1 | Digitakt II がもう1台買えます。 |
74種のアルゴリズムを2つ同時に走らせ、4入力4出力で2台の機材に別々の処理を当てられる箱です。ピッチ系まで含めて1台にまとめたい人のための価格で、リバーブだけならBigSky MXのほうが安く済みます。
5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。
「1台で全部」の見積会議
議題。空間系を1台にまとめたいという相談が続いている。
担当者の説明。74種入っている。2つ同時に動く。4本挿せる。以上。
出席者の質問。使わない70種の値段は誰が払うのか。担当者は黙って値札を裏返した。
結論。ピッチが要る人にだけ勧める。要らない人には隣の水色の箱を勧める。
この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。
この記事でわかること
- H9からの変更点。2アルゴリズム同時と4入力4出力
- ピッチ系、空間系、変調系。74種の中身の見当
- モノ2系統として2台の機材に挟む使い方
- 国内159,500円(2026年8月31日・THE ONE store)、米国899ドル。限定色のH90 Darkもある
ハーモナイザーという名前の由来
Eventideは1970年代にスタジオ用のピッチシフター「Harmonizer」を作った会社で、この語は同社の登録商標です。H90はその系譜の現行ペダル。前身のH9は1アルゴリズムしか動かせず、ピッチ系とリバーブを同時に使うには2台要りました。H90は2つのアルゴリズムを1つのプログラムで同時に走らせます。直列でも並列でも組めます。
アルゴリズムは74種。H9 Maxの52種に、Polyphony(和音対応のピッチ)、SP2016 Reverb、Cosmic Web、Glitch、Stutter、GrainMod、VocalTune など22種が足されています。ピッチ系が多いのがこの会社の特徴で、オクターブ上下、ハーモニー、ディチューンをリバーブと同時に使えるところが、リバーブ専用機との違いです。
Eventide公式のプリセット実演です。ピッチ系と空間系が1つのプログラムで同時に鳴る場面が、2アルゴリズム同時の説明そのものです。
4入力4出力。卓では2系統として使える
| 項目 | H90 |
|---|---|
| 入出力 | モノ4入力・4出力(6.3mm TS)。ステレオ2系統、またはモノ2系統として使える |
| ルーティング | 直列・並列。2つのインサートを別々の機材に当てられる |
| MIDI | DIN In、DIN Out/Thru、USB-C |
| 操作子 | エクスプレッション/補助スイッチ入力×2 |
| 電源 | 12V DC 1A、センタープラス(付属アダプター) |
| 大きさ・重さ | 170×136×68mm、0.84kg |
| 価格 | 国内159,500円(2026年8月31日・THE ONE store)、米国899ドル |
DAWLESS的に効くのはモノ2系統の使い方です。たとえばドラムマシンのモノ出力にA面のアルゴリズム、シンセのモノ出力にB面のアルゴリズムを当てて、それぞれ別の出力から返す。1台で2台ぶんのエフェクターとして働きます。ステレオで受けたいときは、2入力2出力に切り替えて2つのアルゴリズムを直列に通します。
弱いところ
- 値段。ペダル1台に16万円は、Digitakt II が買える金額
- 電源が12Vセンタープラス。9Vのペダル電源から取れない。付属アダプターを持ち歩くことになる
- 操作は画面と2つのつまみが中心。7つまみ横一列のBigSky MXと比べると、演奏中に触る範囲は狭い
- アルゴリズムが多いぶん、決めきれない。「これ1台で全部」の万能感は、使わない機能の値段を払うことでもある
卓での置き方
Octatrackのようにエフェクトを内蔵している機材でも、ピッチ系は薄いことが多い。H90をモノ2系統で挟むと、ドラムのオクターブ下を足す、シンセに5度上を重ねる、といった処理を卓の外側で持てます。MIDIはDINなので、シーケンサーからプログラムチェンジで曲ごとに切り替える配線はMIDI・オーディオ・クロックの違い。配線入門の考え方どおりです。
リバーブだけが欲しいならBigSky MXのほうが安く、つまみも多い。ピッチ系まで含めて1台にまとめたい人が、H90を選ぶ理由を持てます。
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Eventide H90 Harmonizer
- 新品相場
- ¥159,500
- 中古相場
- 相場データなし
2026-08-31 時点の調査(THE ONE store)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。
この記事は公開されているメーカー資料と国内販売店の情報をもとに書いています。実機での検証は行っていません。音の質感、つまみの感触など、触らないと分からない部分については書いていません。
画像について: アイキャッチはメーカーの製品写真を参考に、形状・配色・つまみやボタンの配置をなぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。実機の姿は本文の公式動画でご覧ください。
次に読む
- リバーブ専用機との比較 → Strymon BigSky MXとは
- エフェクトを内蔵する母艦 → Octatrack MKIIレビュー(所有機)
- 買う前の確認 → 日本で機材を買う前に。技適・PSE・保証・並行輸入
- 同じエフェクターを比べるなら → OTO Machines BOUMとは|圧縮・歪み・フィルターをつまみで通す、ステレオの「熱」の箱
出典
- Eventide 公式: H90 Harmonizer(仕様・アルゴリズム数・電源)
- サウンドハウス: H90
- 価格は2026年8月31日(THE ONE store)、仕様は2026年9月10日時点
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
