Syntaktレビュー|音を彫る12トラック

Elektron Syntaktの写真。青いネオンの中に置かれた黒い筐体(画像: Elektron)
2026年度DAWLESS機材 通信簿実機評価

機材名:Elektron Syntakt担任:Mr. Nano

科目評価担任所見
音作りの自由度40種の音源マシン5たいへん
よくできました
アナログとデジタルの両輪で、音を素材から彫れます。
シーケンス性能5たいへん
よくできました
Elektron仕込みの打ち込みは正確で表情豊かです。
サンプリング・録音非対応1サンプルは読み込みません。本人の固い主義です。
操作性Elektron流の学習コスト2Elektron語話者です。初学者には学習時間が要ります。
持ち運びやすさAC電源のみ2電源はACのみ。校外学習には向きません。
一台完結度4ドラムとシンセはこの1台で足ります。
総合評価4/5

音作りの実力者です。サンプルは頑として読みません。それは欠点ではなく主義です。Elektronの流儀に慣れた家庭と組ませると、実力を発揮します。

5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。

「サンプルを読まない職人」

職人というのは頑固なものでございます。この機材、サンプルを一切読みません。

「便利ですよ、皆さん使ってますよ」と勧めても、「あたしは自分の音で話しますんで」。

アナログ4、デジタル8、音源マシン40種。道具箱だけ見れば何でも作れる。ただし、材料の持ち込みはお断り。

電池では動きません。AC電源の効く仕事場から動かない。

それでも誰も文句を言えないのは、仕事が一級品だからでございます。

この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。

この記事でわかること

  • 音を彫る12トラック、Syntaktの所有機ファイル
  • 仕様の要点と、うちのスタジオでの役割
  • 公式動画つき。実機の所感は所有者が追記予定
  • 発売は2022年4月

サンプルを使わずに、音を作りたくなった

Digitakt IIで「録った音を並べる」を覚えると、次は「音そのものを作りたい」が来ます。順番として自然な欲でした。

Syntaktは、その受け皿になるドラム&シンセマシン。アナログ回路のトラックとデジタル音源のトラックが同居し、40種類の音源マシンを差し替えながら音を彫っていきます。

Elektron公式の紹介動画です。アナログの太い音とデジタルの器用な音が、ひとつの筐体から同時に出てくる様子が見られます。ドラムからベース、上物まで、サンプルを使わずに「その場で音を彫って」ビートが立ち上がっていく——サンプラーのDigitakt IIとは正反対のアプローチです。2台が机に並ぶ理由が、この動画で分かります。

仕様のポイント

  • 12トラック(デジタル8+アナログドラム3+アナログシンバル1)
  • 選べる音源マシンは合計40種類
  • アナログのオーバードライブとマルチモードフィルターを持つFXブロック
  • センドエフェクトにディレイとリバーブ
  • シーケンサーは最大64ステップ(トラックごとに長さ可変)
  • 入出力: ステレオ出力・入力・ヘッドホン、MIDI IN/OUT/THRU、USB

うちのスタジオでは

2026年5月導入。Digitakt IIの翌月にやってきた、Elektron 2台目です。

1台目で覚えた操作の型(パラメータロック等)がそのまま通じるのがElektronの良さで、2台目の学習は最初よりずっと楽でした。

ドラムは、この1台で完結している

ドラムの打ち込みは、いまこの1台で全部やっています。他の機材を足していません。内部のシーケンサーが触りやすく、思いついた形にそのまま持っていけるので、外に頼る理由が出てきません。

いちばん重宝しているのはLFOです。音を揺らすだけでグルーヴが出る。細かく打ち込んでノリを作り込むのではなく、揺れの設定でうねらせる。この手軽さが手放せません。

サンプルを集めなくていい、という向き

内部の音だけで事足ります。だからこの機材は、サンプルの管理が面倒な人や、外部のシーケンサーをこれ以上増やしたくない人に向いています。音源を探しに行かなくていいというのは、思っている以上に効きます。

値段は、言わずもがなElektronプライスです。高い。ここは擁護しません。そのうえで、うちではドラムの中心として毎回使っています。

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Elektron Syntakt

Elektron Syntakt

新品相場
¥189,900
中古相場
オークション ¥118,000〜¥120,000

2026-08-17 時点の調査(デジマート等の新品出品・ヤフオク落札実績)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

別売で足せるもの: Outbox 8(8つの個別出力)

Syntakt の音声出力はステレオ1系統です。アナログのキックやベースを別系統に出すには、別売の Outbox 8 が要ります。

2026年9月9日発売の Outbox 8 を USB でつなぐと、本体メニューからトラックを8本の1/4インチ出力に振り分けられます。各出力は CV/Gate にも切り替わります。日本公式ストアは税込59,900円(2026年9月10日時点は在庫切れ)。仕様と所有5台の対応表は Elektron Outbox 8とは にまとめました。

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Elektron Outbox 8

新品相場
¥59,900
中古相場
相場データなし

2026-09-10 時点の調査(Elektron 公式ストア(日本向け・税込))。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

本体のミキサーで完結しているなら不要です。外のコンプやサチュレーターに1トラックだけ送りたくなった時点で必要になります。

次に読む

出典

この記事は運営者が所有し、実際に使っている機材について書いています。仕様の数値はメーカー公式資料で確認しています(確認日: 2026年8月8日)。実機の記述は2026年8月21日に追記しました。

画像について: アイキャッチはElektronが報道向けに配布しているプレスキットの画像です(Image: Elektron)。本文の4コマ漫画はAIで作成したイメージで、実在の製品デザインとは異なります。

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