機材名:beetlecrab Tempera担任:Mr. Nano
| 科目 | 評価 | 担任所見 |
|---|---|---|
| 発想の独自性エミッター方式 | 5たいへん よくできました | 音を「置いて撒く」という発想そのものが作品です。 |
| サンプリング・録音内蔵マイク・再サンプル | 4 | 録ったそばから粒にできます。 |
| 音作りの自由度4096グレイン・16声 | 4 | 粒の教室としては最大級の定員です。 |
| 拡張性・将来性更新が活発 | 4 | 2026年6月の更新でも新技を覚えました。 |
| 音色の汎用性グラニュラー特化 | 2 | 普通のドラムや普通のベースの授業は専門外です。 |
音の上を指でなぞるグラニュラー楽器です。マイクで録ってその場で粒にでき、エミッターという音の撒き方も独特。更新が活発で、機能が増え続けています。
5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。
「音の絵の具」
いらっしゃいませ。当店は音の画材専門です。
こちらのキャンバスは、サンプルを絵の具のように指で塗ると、粒になって鳴きます。
マイクで採ってきた音も、その場で絵の具にできます。
整ったビートを描く筆はございません。抽象画専門店でございます。
この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。
この記事でわかること
- グラニュラー合成を「面」で触るという発想
- 4096グレイン・16声・エミッターという中身
- 録音→加工→また録音、が本体だけで回ること
- 国内価格133,760〜140,360円(2026年8月24日・楽天市場の宮地楽器の出品)
録った音が、面になる
グラニュラー合成は、録音を数十ミリ秒の「粒」に砕いて撒き直す技法です。ふつうは「サンプルのどこを読むか」をつまみで指定します。
beetlecrab の Tempera は、これを面にしました。8×8=64個のタッチパッドの上に、録った音が時間軸で広がっています。左端がサンプルの頭、右端がお尻。指で押さえた場所から、音の粒が湧き出す。複数の指で押さえれば、1つの録音の別々の瞬間が同時に鳴ります。
「グラニュラーは何をしているのか分からない」という人ほど、この機材の見た目の分かりやすさが効きます。音のどこを触っているかが、物理的な位置として見えるからです。
beetlecrab公式の紹介動画です。指を置いた場所が光り、そこから音が立ちのぼる様子が3分でつかめます。この機材が「演奏する道具」であることが伝わるはずです。
仕様のポイント
- 最大4096グレインのステレオ・グレインプール、16声
- 音を撒く「エミッター」を1声あたり最大64個置ける。エミッター構成は4組を同時に持て、ユークリッド・シーケンスも可
- 声ごとにADSRとマルチモードフィルター(ラダー、フォルマントまで)
- エフェクトはコーラス/ディレイ/リバーブ/Patina(質感付け)を同時がけ
- 内蔵マイクで録ってその場で粒にできる。本体出力の再サンプリングも可
- ステレオサンプル8本(各11秒)×200以上のキャンバス。内蔵8GB+microSD
- MIDI TRS、USBホスト(鍵盤・コントローラー・ハブ)、ポリアフタータッチの鍵盤オーバーレイ
- 本体 20.0×14.6×3.4cm
- 2023年発売。ファームウェア更新が活発(2026年6月の2.3でクロスモジュレーションと確率が追加)
うちのグラニュラー機と比べると
うちにはTorso S-4という「音を彫刻するサンプラー」があります。同じくグラニュラーを武器にした機材ですが、性格は逆です。
S-4は4トラックの「加工の流れ」を組む機材で、出来上がるのはトラックの構造。Temperaは両手で「いま」を演奏する楽器で、出来上がるのは持続する音風景です。もっと安くグラニュラーを試すならnanobox lemondrop(113g・4万円台)もあります。
向かないのは、ビートを組みたい人です。ドラムマシンでもグルーヴボックスでもありません。パッドやドローン、揺れる持続音——曲の「空気」を作る係です。
購入・価格を見る
国内では宮地楽器が取り扱っています。枠内の価格は当サイトが調査した相場で、販売価格ではありません。メーカー直販(769ユーロ・世界配送)もあります。
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beetlecrab Tempera
- 新品相場
- ¥133,760〜¥140,360
- 中古相場
- 相場データなし
2026-08-24 時点の調査(楽天市場の出品(宮地楽器))。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。
この記事は公開されているメーカー資料と国内販売店の情報をもとに書いています。実機での検証は行っていません。音の質感、つまみの感触など、触らないと分からない部分については書いていません。
画像について: アイキャッチはメーカーの製品写真を参考に、形状・配色・つまみやボタンの配置をなぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。実機の姿は本文の公式動画でご覧ください。
次に読む
- うちの彫刻サンプラー → Torso S-4レビュー|音を彫刻するサンプラー
- 安いグラニュラー → nanobox lemondropとは|113gのグラニュラーシンセ
- 同じbeetlecrabのシンセ → beetlecrab Vectorとは|画面の中で音が回る
- 同じサンプラーを比べるなら → クジラ型のタッチ基板で組むルーパー・グルーヴボックス、Korallum Nérée。支援者37人の小さなKickstarterが生産入り
出典
- beetlecrab 公式 Tempera(仕様・価格・発売年)
- Sound on Sound レビュー
- 国内価格は楽天市場の宮地楽器の出品(2026年8月24日確認)
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
