機材名:Yamaha DX1担任:Mr. Nano
| 科目 | 評価 | 担任所見 |
|---|---|---|
| 歴史的価値FM最上位という家柄 | 5たいへん よくできました | DXシリーズの頂点。資料的価値は満点です。 |
| 音質・音の個性FMの格 | 4 | DX7エンジン2基。音の格は資料からも疑いようがありません。 |
| 持ち運びやすさ51kg | 1 | 学年でいちばん動けません。 |
| 維持・修理のしやすさ生産140台 | 1 | 交換部品の確保が現実的でなく、勧めにくい状態です。 |
| 導入コスト収集家価格 | 1 | 発売時195万円、いまは収集家の価格帯です。 |
1983年の学年で首席だった大先輩です。140人しか同級生がおらず、体重51kgで転校も一苦労。いまから入学させる機材ではなく、歴史資料室でお会いするのが正しい距離感です。
5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。
「1983年の首席」
ご依頼の品はヤマハDX1。1983年、当時195万円。
拝見します。ローズウッドの筐体、73鍵の重量鍵盤……結構なお品です。
本物です。世界に140台。FMの頂点、DX7エンジン2基。
評価額は、あえて申しません。かわりに1つだけ。体重51kg、部品の融通は利きません。これは楽器というより、楽器の形をした歴史でございます。
ご自宅にお迎えするより、資料室で会う。それがお互いのためかと存じます。
この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。
この記事でわかること
- 140台だけ作られたFMの最上位機、Yamaha DX1の紹介
- 仕様の要点と、どんな人に合うか
- 所有機材との比較の視点も
- 発売は1983年
見本として作られた1台
DX1は、YamahaのDXシリーズの最上位機です。1983年に発売されました。DX7が世界を変えた機種として知られていますが、DX1はその上に置かれた、FM合成の見本として作られた特別な1台です。
発音数は32ボイス。デュアルで16、スプリットで16+16。中身は事実上、DX7のエンジンを2基積んだ構成です。鍵盤は73鍵の重量鍵盤で、ポリフォニック・アフタータッチに対応します。
DX7で悪名高かったのがFMの設定の難しさでした。DX1はそこに手を入れていて、FMの設定を見やすくするための表示を多数装備しています。筐体はローズウッド。
そして重さが51キロ(190ポンド)。DXシリーズで最も重い機種です。持ち運ぶ機材ではありません。
発売価格は1,950,000円(米国で13,900ドル、英国で10,000ポンド)。1983年から1985年までに140台のみ生産されました。エルトン・ジョン、デペッシュ・モード、ペット・ショップ・ボーイズなどが所有していたことが知られています。2022年には未使用品が157,972.85ドルで出品された例もあります(2026年8月19日確認)。
この機種については公式チャンネルに動画を確認できませんでした。FM音源そのものの音は、当サイトのDigitone IIの記事が参考になります。
ヤマハ公式による、当時の最上位機種の紹介です。DX7の陰に隠れがちなこの機材が、何を目指して作られたのかが短くまとまっています。
仕様のポイント
- 1983年発売。YamahaのDXシリーズ最上位機
- 32ボイス(デュアル16、スプリット16+16)。中身は事実上DX7のエンジン2基
- 73鍵の重量鍵盤、ポリフォニック・アフタータッチ対応
- FMの設定を見やすくするための表示を多数装備。筐体はローズウッド
- 重量51キロ。DXシリーズで最も重い
- 発売価格1,950,000円(13,900ドル/10,000ポンド)。1983〜1985年に140台のみ生産
うちの機材で言えば
うちのDigitone IIはFM音源機です。8ボイスで、重さは1.5キロもありません。値段は18万円前後。DX1は32ボイスで51キロ、195万円。同じFMという方式でも、40年でここまで変わりました。
面白いのは、DX1が力を入れた「FMの設定を見やすくする」という課題が、いまも解けていないことです。Digitone IIも、SONICWAREのLIVEN XFMも、そこをどう見せるかで工夫している。40年前に195万円かけて取り組んだ問題が、いまも機材選びの争点として残っているというのは、知っておくと視点が変わります。
次に読む
- うちのFM機 → きらきらのFM音源機、Digitone II
- 3万円台のFM機 → 2つのFM音を混ぜる、SONICWARE LIVEN XFM
- 同時代の名機 → 1万台で終わった名機、Roland TR-909
- 同じYamahaなら → Yamaha reface CSとDXとは|電池で5時間鳴る鍵盤
出典
- Sound On Sound「The Yamaha DX1 & Its Successors」/Vintage Synth Explorer — 仕様・沿革
- Wikipedia/Synthtopia — 生産台数・価格(2026年8月19日確認)
この記事は未所有機材の紹介記事です。仕様はメーカー公式資料等で確認しています(確認日: 2026年8月19日)が、実機での検証は行っていません。実機を入手した場合は、別途レビュー記事として書き直します。
画像について: アイキャッチは実機の写真(公式画像)を参考に、形状・配色・配置を忠実になぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
