Waldorf Streichfettとは|弦の音だけを出す128音ポリの箱

白っぽい正方形に近い平たいデスクトップ音源のイラスト。上面に丸ノブが並ぶ
2026年度DAWLESS機材 通信簿資料評価|実機検証前

機材名:Waldorf Streichfett担任:Mr. Nano

科目評価担任所見
音質・音の個性ストリングマシン5たいへん
よくできました
あの霞む弦の壁は、この専門店の独占品です。
和音の体力128音ポリ5たいへん
よくできました
何声重ねても席が尽きません。
導入コスト5万円台3音色を1色買う、と考えれば妥当です。
音色の汎用性弦とソロ少々1品揃えは潔く1色です。
一台完結度1単独では曲になりません。敷物専門です。
総合評価3/5

弦の音だけを出す128音ポリの箱です。ドラムもベースもシーケンサーもなし。パッドを厚く敷く一色のために5万円台を払える人の、正しい贅沢です。

5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。

「音の敷布団」

当店は敷布団の専門店です。掛け布団も枕も置いていません。

しかし、この弦の敷布団の上に寝かせた曲は、どれも上等に聞こえます。

128音ポリという広さで、どんな大の字も受け止めます。

一枚5万円台。寝心地は、値段の通りです。

この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。

この記事でわかること

  • ストリングス・マシンとは何だったのか
  • 128音ポリフォニックという異例のスペック
  • ストリングス部とソロ部の2系統という構成
  • 5ピンDINのMIDIを持つ利点
  • 国内相場54,800円(2026年8月21日確認)

弦の音だけを出すために作られた楽器

1970年代から80年代初頭にかけて、ストリングス・マシンと呼ばれる一群の楽器がありました。弦楽器の音だけを出す専用機で、和音を押さえると独特のうねりが出る。サンプラーもデジタルシンセもない時代に、弦楽器の響きを電子回路で作ろうとした機材です。

その系譜は一度絶えました。Streichfett は、ドイツのWaldorfが2014年に単体の音源として復活させたものです。名前はドイツ語で「塗るための脂」、つまりバターやマーガリンのこと。音を厚く塗り重ねる機材、という洒落だと思われます。

Waldorf公式による全機能の解説です。ストリングス側とソロ側を混ぜる操作がつまみ1つで行われる様子が見られます。用途がはっきりした機材なので、この動画で音を聴けば要否の判断がつきます。

仕様のポイント

  • ストリングス部は128音ポリフォニック。バイオリン・ビオラ・チェロ・ブラス・オルガン・合唱などをつまみで連続的に混ぜられる
  • ソロ部は8音ポリ。ベース、エレピ、クラビ、シンセ、Plutoと呼ばれる音を同じくつまみで混ぜる
  • 2系統は重ねて鳴らせる
  • エフェクトはアンサンブル(うねりを作る)、フェイザー、リバーブ、トレモロ、Animate(音色の登録を揺らす)
  • 音色は12パッチ(A・B・Cの3バンク)に保存できる
  • MIDIは5ピンDINのIN/OUT。USBはMIDIのみ(オーディオは通らない)
  • 出力はステレオ(L/Stereo・R/Mono)とヘッドホン
  • 本体は185×185mmの正方形に近い形。電源はUSBの5V(80mA)か付属のPSU

128音ポリという振り切り方

同時に128音鳴らせるシンセは、そう多くありません。10本の指で押さえられるのは10音までなので、数字だけ見れば過剰です。

ただしストリングスの音は減衰が長いので、和音を弾き重ねていくと発音数はすぐに膨らみます。128音あれば音が途中で切れる心配をしないで済みます。「弦を分厚く重ねる」という一点のために配られた数字です。

アンサンブル・エフェクトも、この機材の本体と言っていい部分です。複数のコーラスを組み合わせて音を揺らす回路で、70年代のストリングス・マシンの音の正体は、音源そのものよりこのうねりのほうにありました。

つなぐのがいちばん簡単な1台

鍵盤のない音源モジュール4台で並べたなかで、Streichfett は5ピンDINのMIDIを持ちます。3.5mmのMIDIは配線の流儀がType-AとType-Bに分かれていて、同じ端子でも挿せば動くとは限りません。(この話はMIDI・オーディオ・クロックの違い。配線入門に整理しました)

DINなら、その心配がありません。手持ちの鍵盤がDIN出力を持っているなら、ケーブル1本でつないで終わりです。地味ですが、実務では効きます。

どんな人に合うか

合うのは、パッドを厚く敷きたい人です。ドラムとベースが動いている上に、弦の和音を1本重ねる。その役割に特化した箱で、5万円台という価格も「音色を1色買う」と考えれば理解できる範囲です。

合わないのは、1台で何でも鳴らしたい人です。出るのは弦と、少しのソロ音色だけです。ドラムもベースもシーケンサーもありません。

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枠内の価格は当サイトが調査した相場で、販売価格ではありません。

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Waldorf Streichfett

Waldorf Streichfett

新品相場
¥54,800
中古相場
相場データなし

2026-08-21 時点の調査(楽天市場の出品)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

この記事は公開されているメーカー資料と国内販売店の情報をもとに書いています。実機での検証は行っていません。音の質感、つまみの感触、実際の使い勝手など、触らないと分からない部分については書いていません。発売から10年以上経つ機材のため、在庫状況は販売店ごとに差があります。

画像について: アイキャッチはメーカー・販売店が公開している製品写真を参考に、形状・配色・つまみの配置をなぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。

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出典

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