Twisted Electrons TherapSID MKIIIとは|コモドール64の音源チップを鳴らす

Twisted Electrons TherapSID MKIIIのイラスト(実機を参考に作成)。黒い横長の卓上シンセ、多数の黒いノブとボタン、赤い2桁の数字表示、小さなLED
2026年度DAWLESS機材 通信簿資料評価|実機検証前

機材名:Twisted Electrons TherapSID MKIII担任:Mr. Nano

科目評価担任所見
音質・音の個性本物のSID5たいへん
よくできました
個体差まで含めて本物、という贅沢です。
音作りの自由度ノブ354チップの声をノブで直接いじれます。
導入の手間チップ別売2SIDチップを自分で調達する儀式があります。
入手・サポート2国内の窓口は細い道です。
音色の汎用性チップ専攻2上品なピアノの日には出番がありません。
総合評価3/5

コモドール64のSIDチップを本物で鳴らすシンセです。チップは別売で、個体差込みの本物の音。エミュでは出ないざらつきに価値を感じる人の専門店です。

5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。

「心臓は別売です」

この体には、心臓が入っていません。

SIDチップという1980年代の心臓を、自分で探して移植します。

移植後は、個体差のある本物の声で歌います。同じ型番でも、心臓ごとに声が違う。

手術の覚悟がある方だけ、購入してください。

この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。

この記事でわかること

  • コモドール64の音源チップを鳴らす、Twisted Electrons TherapSID MKIIIの紹介
  • 仕様の要点と、どんな人に合うか
  • 公式動画つき。所有機材との比較の視点も

チップは自分で持ち込む、という設計

TherapSIDは、フランスのTwisted Electronsが2014年から作るSIDシンセです。SIDは1982年のパソコンCommodore 64に載っていた音源チップ(MOS 6581/8580)で、3つのオシレーターとアナログのマルチモードフィルターを持ち、80年代のゲーム音楽の「あの音」の正体です。MKIIIは2022年9月に出た最終版です(Twisted Electrons公式)。

本体は35ノブと33ボタン、プリセット99、LFOが3つ、アルペジエーター。SIDチップを最大2基差せますが、チップは同梱されません。本物の6581/8580のほか、互換品のSwinSIDやARMSIDに対応し、購入者がチップを用意します(公式にテストと装着のサービスがあります)。MKIIIでは1/4インチのオーディオ入出力、DIN MIDI、CV/Gate入力、LFOを外から上書きするCV入力3つに刷新。ASIDに対応し、パソコンのエミュレーターからSIDの曲を受けてリアルタイムに鳴らせます。コードはGitHubで公開されました。

価格は公式直販で474ユーロ(2026年8月18日確認)。国内の取扱店はなく、中古も見当たりません。電源はDC15Vで、海外のアダプターが付く場合は国内でPSE表示のあるものに替える判断が要ります。

Twisted Electrons公式のMKII紹介動画です(MKIII単体の公式動画はありません)。SIDチップの3オシレーターと、フィルターとアルペジエーターの音はMKIIIも共通です。MKIIIでは入出力が刷新されました。

仕様のポイント

  • 3オシレーター(各4波形・PW・Tune/Fine/Glide)、ユニゾン/3音パラフォニック、SIDチップ最大2基(6581/6582・8580/SwinSID/ARMSID対応・別売)
  • アナログ・マルチモードフィルター(LP/BP/HP/LP+HP)をボイス個別にアサイン。35ノブ+33ボタン、プリセット99、LFO×3、アルペジエーター(MIDIクロック同期)
  • 入出力(MKIII): 1/4インチオーディオIN/OUT(各チップ)、DIN MIDI IN/OUT、CV/Gate IN(3.5mm)、LFOオーバーライドCV IN×3、電源スイッチ
  • 電源: DC15V センタープラス 200mA以上。寸法・重量は非公表
  • ASID対応(DeepSID/VICEなどからSID曲を受信)、全ノブMIDI CC送信、VSTエディター。ファームウェア 3.1、コードはGitHubで公開
  • 価格: 公式直販 €474(SIDチップ別売・2026年8月18日確認)。国内取扱なし

どんな人に合うか

「チップチューンの音を、本物のチップで、ノブを回して作りたい」人に。エミュレーターやサンプルでは出ない、個体差のある本物の音です。

うちの音源はElektronのデジタルとFMが中心で、SIDのざらつきは持っていません。Digitakt IIに録り込む素材としても、Syntaktの隣で1音だけ担当させても、色がはっきり違います。

チップを別に手に入れる手間、国内取扱いなし、15Vの電源。3つの壁を越える熱意があるかどうかで決まる機材です。

次に読む

出典

この記事は未所有機材の紹介記事です。仕様はメーカー公式資料等で確認しています(確認日: 2026年8月18日)が、実機での検証は行っていません。実機を入手した場合は、別途レビュー記事として書き直します。

画像について: アイキャッチは実機の写真を参考に、形状・配色・配置を忠実になぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。

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メーカー資料確認のみ|実機検証前

この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。