機材名:Moog Labyrinth担任:Mr. Nano
| 科目 | 評価 | 担任所見 |
|---|---|---|
| 発想の独自性生成×生成 | 5たいへん よくできました | シーケンサーが自分で変わっていく、育成型の設計です。 |
| 音質・音の個性スルーゼロFM+フォルダー | 4 | 硬く金属的な方向まで寄れる声域です。 |
| 音作りの自由度パッチ32点 | 4 | 迷宮の分かれ道は十分な数があります。 |
| 再現性生成主体 | 2 | 同じ道を二度歩けるとは限りません。 |
| 和音モノ | 2 | 迷宮の住人は1人です。 |
2本の生成シーケンサーが互いに絡んで音を育てる迷宮です。CORRUPTやBIT FLIPで自分のフレーズを壊しながら進みます。演奏というより「育てて聴く」時間の機材です。
5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。
「攻略できない迷路」
この迷路の攻略記事を書こうとして、諦めました。
歩くたびにシーケンスが変わるのです。CORRUPTボタンで、道が化けます。
「ゴールはどこですか」と設計者に聞けば、こう返るでしょう。「迷うのがゴールです」。
地図を描けない迷路。それがこの箱の正しい遊び方です。
この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。
この記事でわかること
- 2本のシーケンサーが育てる音、Moog Labyrinthの紹介
- 仕様の要点と、どんな人に合うか
- 公式動画つき。所有機材との比較の視点も
- 発売は2024年7月
Moogが作った、西海岸寄りの箱
Labyrinthは、Moogが2024年7月に出したセミモジュラーのアナログシンセです。音源はサイン波のVCOとモジュレーション用のVCO(スルーゼロFM)、リングモジュレーター、ノイズ。そこにウェーブフォルダー(波形を折り畳んで倍音を増やす回路)とステートバリアブル・フィルターを直列にも並列にもつなげます(Moog公式)。
この構成は、Moogの伝統であるラダーフィルターの減算式(東海岸)ではなく、Buchla系の加算・折り畳み(西海岸)に近い考え方です。シーケンサーは8ステップの生成型が2本。シフトレジスタ方式で、確率的にステップが壊れたり(CORRUPT)、ビットが反転したりして、同じフレーズが少しずつ変わっていきます。
価格は98,800円(イケベ楽器・宮地楽器、2026年8月18日確認、ワタナベ楽器で92,800円)。島村楽器の開封品で88,920円、ヤフオクで76,330〜82,800円の例があります。SubharmoniconやDFAM、Mother-32と同じ60HPの筐体で、重ねて置けます。
Moog公式の紹介動画です。サイン波をウェーブフォルダーで折り畳んで倍音を増やす音と、2本のシーケンサーが少しずつ壊れて変わっていく様子が見られます。ラダーフィルター一辺倒ではないMoogの新しい顔です。
仕様のポイント
- セミモジュラー・アナログ。VCO(サイン)+MOD VCO(サイン・スルーゼロFM)、リングモジュレーター、ノイズ
- 電圧制御ウェーブフォルダー+ステートバリアブルVCF(LP→BP連続可変)を直列/並列切替、VCA×2、飽和ミキサー
- 8ステップ生成型シーケンサー×2(シフトレジスタ、CORRUPT/BIT FLIP、クオンタイズ・スケール、チェイン)
- エンベロープ: EG1(Decay)、EG2/VCA(Decay)。パッチベイ32点(入力20・出力12)、MIDI入力(3.5mm)、アナログクロック同期
- 1/4インチ出力、12V DC 1.2Aアダプター付属。ユーロラック60HP(+12V 290mA)。約32.6×14.3×10.7cm・1.5kg
- 価格: 98,800円(イケベ楽器・宮地楽器・2026年8月18日確認)。中古・開封品 76,330〜88,920円
どんな人に合うか
「同じフレーズを繰り返す機材に飽きた」人に。シーケンサーが自分で変わっていくので、演奏というより「育てて聴く」時間になります。
うちの生成係はTorso T-1です。T-1は外の音源を鳴らすシーケンサー、Labyrinthは音源とシーケンサーが1つの箱に入っていて、パッチで自分を変調できます。音は硬く金属的な方向にも寄れて、Syntaktのアナログとも、Digitone IIのFMとも違う質感です。
プリセットはなく、紙のパッチシートで記録する文化です。「保存して呼び出す」機材ではないことを承知の上で。
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Moog Labyrinth
- 新品相場
- ¥92,800〜¥98,800
- 中古相場
- 開封品 ¥88,920/オークション ¥76,330〜¥82,800
2026-08-18 時点の調査(イケベ・宮地・ワタナベ/島村開封品・ヤフオク)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。
次に読む
- 同じ筐体の兄弟 → 下方倍音でコードが生まれる、Moog Subharmonicon
- うちの生成係 → サイコロを振る相棒、Torso T-1
- 西海岸の原点 → ノーコーストの2台、Make Noise 0-CoastとStrega
出典
- Moog Labyrinth 公式ページ — 仕様
- デジマート イケベ楽器/ワタナベ楽器店 — 価格(2026年8月18日確認)
この記事は未所有機材の紹介記事です。仕様はメーカー公式資料等で確認しています(確認日: 2026年8月18日)が、実機での検証は行っていません。実機を入手した場合は、別途レビュー記事として書き直します。
画像について: アイキャッチは実機の写真を参考に、形状・配色・配置を忠実になぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
