機材名:monome norns担任:Mr. Nano
| 科目 | 評価 | 担任所見 |
|---|---|---|
| 拡張性・将来性Luaスクリプト | 5たいへん よくできました | スクリプト次第でシンセにもサンプラーにも化けます。この科目の設立者です。 |
| 制作開始の速さ環境構築が先 | 1 | スクリプトを入れるまで音が出ません。初日は環境づくりで終わります。 |
| 音作りの自由度スクリプト次第 | 4 | コミュニティ製スクリプトの数だけ音楽の顔があります。 |
| 外部機材との連携USB・grid・arc | 4 | USB4口で仲間とつながる設計です。 |
| 入手・サポート国内窓口なし | 1 | 国内正規流通がなく、公式在庫も切れています。何かあったら海外便りです。 |
スクリプトを入れて初めて楽器になる、変わり者の編入生です。Luaが書ける家庭なら無限に伸びますが、そうでないと何の授業か分からないまま学期が終わります。国内に窓口がない点も含め、覚悟のある家庭向けです。
5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。
「スクリプトのない楽器」
弟子「これは楽器ですか」
師「スクリプトを入れれば」
弟子「入れなければ」
師「静かな箱です」
弟子「Luaが書けません」
師「コミュニティが書いたものを借りなさい。ただし窓口は海外、公式在庫は切れ、道は自分で探すことになります」
弟子「なぜ、そこまでして」
師「化けるからです。この箱の中身は、まだ決まっていないのです」
この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。
この記事でわかること
- スクリプトで何にでもなる箱、monome nornsの紹介
- 仕様の要点と、どんな人に合うか
- 所有機材との比較の視点も
- 発売は2018年
楽器ではなく、楽器を入れる箱
nornsは、米monomeが2018年に出した「音の道具のためのコンピューター」です。中身はRaspberry Piのコンピュートモジュールで、Luaで書かれたスクリプトを読み込むと、そのたびに別の楽器になります。シーケンサー、サンプラー、グラニュラー、ドローン、ゲーム的な生成系。スクリプトはコミュニティ(lines)に数百本あり、ブラウザから編集もできます(monome公式ドキュメント)。
本体は削り出しのアルミで、横長のOLED画面、エンコーダー3つ、キー3つ、1/4インチの入出力が2つずつ、USB-Aが4つ(gridやMIDI機器をつなぐ)、内蔵バッテリー。同社のgrid(光るボタンの格子)と組み合わせるのが定番です。ソフトウェアは2026年6月のv3.0.1が最新です。
問題は入手です。標準のnornsは公式で900ドルですが在庫切れで次回生産は未定、b-stockの700ドルが「最後の在庫」と案内されています(2026年8月18日確認)。国内正規流通はなく、デジマート・Five G・Clockfaceにも取扱いがありません。安価な自作版のnorns shieldはmonome自身が製造を終え、図面をオープンソースとして公開しました。
monomeは公式のYouTubeチャンネルで動画を公開しておらず、紹介映像は自社サイトにあります。この記事には埋め込んでいません。実機の様子はmonome公式ドキュメントと、コミュニティ(lines)の投稿でご覧ください。
仕様のポイント
- Raspberry Pi Compute Module 3+(1.2GHz 4コア・1GB・32GB)、Linux。Lua スクリプト+SuperCollider DSP、softcut(6ボイスバッファ)
- 音声: 1/4インチ入力2/出力2(ライン)、1/4インチヘッドホン。128×64 OLED、エンドレスエンコーダー3、キー3
- USB-A×4(MIDI/grid/arc/HID)、USB-mini(電源・シリアル)、Wi-Fi USBアダプター同梱。内蔵LiPo 2,250mAh
- 約157×102×20mm・約540g、削り出しアルミ。ソフトウェア v3.0.1(2026年6月16日)
- norns shield: monome製造終了・オープンソース公開(Raspberry Pi 3B/3B+/4Bで自作、部品総額約390ドル)
- 価格・状態: 公式 900ドル(在庫切れ・次回未定)/b-stock 700ドル(最終在庫)。国内正規流通なし。国内中古 shield 39,500円の例(2026年8月18日確認)
どんな人に合うか
「決まった機能の箱より、コミュニティが育てる道具が欲しい」人に。スクリプトを読み、少し書き換える楽しみまで含めて、この機材の価値です。
うちのTorso T-1やOXI ONE MKIIは「機能が決まった司令塔」ですが、nornsは司令塔にも音源にもなる代わりに、何になるかは自分で選びます。OrganelleがPure Dataなら、nornsはLua。どちらも「楽器を入れる箱」で、コミュニティの厚みはnornsが上です。
国内では買えず、本国でも在庫切れ。今から入るなら中古か、shieldの自作か、公式の再生産待ちです。日本語の情報も少ないので、英語のドキュメントを読む前提になります。
次に読む
- 同じ思想の木の鍵盤 → パッチで中身が入れ替わる木の鍵盤、Critter & Guitari Organelle MとS2
- うちの生成係 → サイコロを振る相棒、Torso T-1
- トラッカーで動く小さな箱 → ゲーム機サイズの本気、Dirtywave M8
- 同じmonomeなら → monome gridとは|それ自体は何もしない道具
出典
- monome norns 公式ドキュメント/norns shield(オープンソース) — 仕様・状態
- GitHub monome/norns Releases — ソフトウェア版(v3.0.1)
この記事は未所有機材の紹介記事です。仕様はメーカー公式資料等で確認しています(確認日: 2026年8月18日)が、実機での検証は行っていません。実機を入手した場合は、別途レビュー記事として書き直します。
画像について: アイキャッチは実機の写真を参考に、形状・配色・配置を忠実になぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
