Moog Labyrinthとは|2本のシーケンサーが育てる音

Moog Labyrinthのイラスト(実機を参考に作成)。木のサイドパネルの黒い横長筐体、左に大きなノブ2つとボタン、中央にウェーブフォルダーとフィルターの大ノブと2列の小さなLED、右に銀色ノブと4列のパッチベイ
2026年度DAWLESS機材 通信簿資料評価|実機検証前

機材名:Moog Labyrinth担任:Mr. Nano

科目評価担任所見
発想の独自性生成×生成5たいへん
よくできました
シーケンサーが自分で変わっていく、育成型の設計です。
音質・音の個性スルーゼロFM+フォルダー4硬く金属的な方向まで寄れる声域です。
音作りの自由度パッチ32点4迷宮の分かれ道は十分な数があります。
再現性生成主体2同じ道を二度歩けるとは限りません。
和音モノ2迷宮の住人は1人です。
総合評価4/5

2本の生成シーケンサーが互いに絡んで音を育てる迷宮です。CORRUPTやBIT FLIPで自分のフレーズを壊しながら進みます。演奏というより「育てて聴く」時間の機材です。

5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。

「攻略できない迷路」

この迷路の攻略記事を書こうとして、諦めました。

歩くたびにシーケンスが変わるのです。CORRUPTボタンで、道が化けます。

「ゴールはどこですか」と設計者に聞けば、こう返るでしょう。「迷うのがゴールです」。

地図を描けない迷路。それがこの箱の正しい遊び方です。

この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。

この記事でわかること

  • 2本のシーケンサーが育てる音、Moog Labyrinthの紹介
  • 仕様の要点と、どんな人に合うか
  • 公式動画つき。所有機材との比較の視点も
  • 発売は2024年7月

Moogが作った、西海岸寄りの箱

Labyrinthは、Moogが2024年7月に出したセミモジュラーのアナログシンセです。音源はサイン波のVCOとモジュレーション用のVCO(スルーゼロFM)、リングモジュレーター、ノイズ。そこにウェーブフォルダー(波形を折り畳んで倍音を増やす回路)とステートバリアブル・フィルターを直列にも並列にもつなげます(Moog公式)。

この構成は、Moogの伝統であるラダーフィルターの減算式(東海岸)ではなく、Buchla系の加算・折り畳み(西海岸)に近い考え方です。シーケンサーは8ステップの生成型が2本。シフトレジスタ方式で、確率的にステップが壊れたり(CORRUPT)、ビットが反転したりして、同じフレーズが少しずつ変わっていきます。

価格は98,800円(イケベ楽器・宮地楽器、2026年8月18日確認、ワタナベ楽器で92,800円)。島村楽器の開封品で88,920円、ヤフオクで76,330〜82,800円の例があります。SubharmoniconやDFAM、Mother-32と同じ60HPの筐体で、重ねて置けます。

Moog公式の紹介動画です。サイン波をウェーブフォルダーで折り畳んで倍音を増やす音と、2本のシーケンサーが少しずつ壊れて変わっていく様子が見られます。ラダーフィルター一辺倒ではないMoogの新しい顔です。

仕様のポイント

  • セミモジュラー・アナログ。VCO(サイン)+MOD VCO(サイン・スルーゼロFM)、リングモジュレーター、ノイズ
  • 電圧制御ウェーブフォルダー+ステートバリアブルVCF(LP→BP連続可変)を直列/並列切替、VCA×2、飽和ミキサー
  • 8ステップ生成型シーケンサー×2(シフトレジスタ、CORRUPT/BIT FLIP、クオンタイズ・スケール、チェイン)
  • エンベロープ: EG1(Decay)、EG2/VCA(Decay)。パッチベイ32点(入力20・出力12)、MIDI入力(3.5mm)、アナログクロック同期
  • 1/4インチ出力、12V DC 1.2Aアダプター付属。ユーロラック60HP(+12V 290mA)。約32.6×14.3×10.7cm・1.5kg
  • 価格: 98,800円(イケベ楽器・宮地楽器・2026年8月18日確認)。中古・開封品 76,330〜88,920円

どんな人に合うか

「同じフレーズを繰り返す機材に飽きた」人に。シーケンサーが自分で変わっていくので、演奏というより「育てて聴く」時間になります。

うちの生成係はTorso T-1です。T-1は外の音源を鳴らすシーケンサー、Labyrinthは音源とシーケンサーが1つの箱に入っていて、パッチで自分を変調できます。音は硬く金属的な方向にも寄れて、Syntaktのアナログとも、Digitone IIのFMとも違う質感です。

プリセットはなく、紙のパッチシートで記録する文化です。「保存して呼び出す」機材ではないことを承知の上で。

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Moog Labyrinth

Moog Labyrinth

新品相場
¥92,800〜¥98,800
中古相場
開封品 ¥88,920/オークション ¥76,330〜¥82,800

2026-08-18 時点の調査(イケベ・宮地・ワタナベ/島村開封品・ヤフオク)。相場は変動します。販売価格は各店舗の表示をご確認ください。

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出典

この記事は未所有機材の紹介記事です。仕様はメーカー公式資料等で確認しています(確認日: 2026年8月18日)が、実機での検証は行っていません。実機を入手した場合は、別途レビュー記事として書き直します。

画像について: アイキャッチは実機の写真を参考に、形状・配色・配置を忠実になぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。

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メーカー資料確認のみ|実機検証前

この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。