機材名:Neutral Labs Scrooge担任:Mr. Nano
| 科目 | 評価 | 担任所見 |
|---|---|---|
| 発想の独自性信号駆動ボイス | 5たいへん よくできました | 誤動作を仕様にした、確信犯の設計です。 |
| シーケンス性能Pロック・64ステップ | 4 | 壊れ方をステップ単位で予約できます。 |
| 音質・音の個性5声のアナログノイズ | 4 | 整った音は最初から目指していません。 |
| 音色の汎用性 | 1 | きれいな音の日には出番がありません。 |
| 入手・サポート | 2 | 国内の窓口は細い道です。 |
誤動作をシーケンスする箱です。5つのアナログボイスが、専用電源ではなく制御信号で駆動されるという変則設計。パラメータロック付きのシーケンサーで、壊れ方を打ち込めます。
5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。
「計画的な誤動作」
計画書を発見しました。表題「誤動作の時間割」。
5つのボイスを、正しくない電気の流し方で駆動する。壊れ方はステップごとに予約済み。
「それは故障では?」——いいえ、時間割どおりの故障は、演奏と呼びます。
提出者はScrooge。受理します。
この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。
この記事でわかること
- 誤動作をシーケンスする箱、Neutral Labs Scroogeの紹介
- 仕様の要点と、どんな人に合うか
- 所有機材との比較の視点も
「誤動作の発生器」という名乗り
Scroogeの公式の肩書きは「Sequenced malfunction generator」——シーケンスされる誤動作の発生器です。42HPのユーロラック・モジュール版と、セミモジュラーのデスクトップ版があります(Neutral Labs公式)。
中身は5つの独立した完全アナログのボイス。変わっているのは駆動のしかたで、専用の電源ではなくシーケンサーの制御信号でボイスを鳴らす変則的な回路になっています。そのため鳴り方が有機的で不安定になり、「誤動作」という名乗りにつながっています。外部からシーケンスすれば、電源なしでも動きます。
シーケンサーは意外としっかりしています。パラメーターロック、トラックごとに最大64ステップの任意長、最大32パターンのチェイン、16バンク×128パターンの保存。演奏中に変化を作る生成アルゴリズムも入っています。接続はメイン出力2(ヘッドホン可)、各ボイスの個別出力、ボイスごとのCV入力、独立ルーティングの変調トラック2、Sync入出力、MIDI入力(TRS Type A)。外部機材のシーケンスもできます。
価格は、完成品のユーロラック版がElevator Soundで£549(英VAT込・約11.9万円/税抜£457.50)で取り寄せ。DIYキットはThonkでデスクトップ版£295(約6.4万円)、ユーロラック版£245(約5.3万円)で在庫あり(いずれも税抜表示、SMDは実装済み)。国内の取扱いは見つかりませんでした(2026年8月19日確認)。
Neutral Labsの公式チャンネルに製品紹介動画を確認できなかったため、この記事では動画を載せていません。動作の様子はmylarmelodiesやStarsky Carrなどのレビュー動画で確認できます。
Neutral Labs公式の紹介動画です。「故障をシーケンスする」という説明がどういう音になるのか、短い時間で分かります。
仕様のポイント
- 5つの独立した完全アナログのボイス。専用電源ではなくシーケンサーの制御信号で駆動する変則的な回路
- シーケンサー: パラメーターロック、トラックごとに最大64ステップの任意長、最大32パターンのチェイン、16バンク×128パターンの保存
- 演奏中に変化や新しいパターンを作る生成アルゴリズムを内蔵。外部機材のシーケンスも可能
- 接続: メイン出力2(ヘッドホン可)、各ボイスの個別出力、ボイスごとのCV入力、変調トラック2(独立ルーティング)、Sync入出力、MIDI入力(TRS Type A)
- ユーロラック版は42HP・奥行25mm、消費電流 +12V 75〜100mA/-12V 0mA。デスクトップ版は5VのUSB電源。外部からシーケンスすれば無給電でも動作
- 価格: 完成品ユーロラック£549(英VAT込・約11.9万円/税抜£457.50)、DIYキットはデスクトップ£295・ユーロラック£245(税抜)。国内取扱いは確認できず(2026年8月19日確認)
うちの機材で言えば
うちのリズム係はTR-6SとSyntaktで、どちらも「打った通りに、毎回同じように」鳴ります。Scroogeはその逆で、同じパターンでも鳴り方が毎回ずれる。ドラムマシンというより、リズムの形をしたノイズ発生器と考えたほうが近いと思います。
面白いのは、シーケンサー部分がElektron的にきちんとしていることです(パラメーターロックがあり、64ステップの任意長が組める)。つまり「作り込めるのに、出音は言うことを聞かない」。うちで使うならOXI ONE MKIIから叩いて、Octatrack MKIIで録る形。ただしDIYキットは英国から個人輸入ではんだ付け、完成品は12万円近くになるので、機材1年目で手を出す一台ではありません。
次に読む
- アナログでリズムを作る側 → 音を合成で作るドラムマシン、Erica Synths LXR-02
- DIYで組む機材 → 自分で組むシーケンサー2つ、Westlicht PerformerとTuring Machine
- 揺らぎを持ち込む機材 → サイコロを振る相棒、Torso T-1
- 同じNeutral Labsなら → Neutral Labs Elmyra 2とは|竹の箱で育てるドローン
出典
- Neutral Labs Scrooge 公式ページ — 構造・シーケンサー・接続
- Elevator Sound — 完成品の価格・HP・消費電流(2026年8月19日確認)
- Thonk — DIYキットの価格・在庫(2026年8月19日確認)
この記事は未所有機材の紹介記事です。仕様はメーカー公式資料等で確認しています(確認日: 2026年8月19日)が、実機での検証は行っていません。実機を入手した場合は、別途レビュー記事として書き直します。価格の円換算は2026年8月18〜19日時点の為替(1ドル≒159円、1ユーロ≒185円、1ポンド≒216円)による目安で、送料・関税・輸入消費税は含みません。
画像について: アイキャッチは実機の写真(公式画像)を参考に、形状・配色・配置を忠実になぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。
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この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。
