Neutral Labs Scroogeとは|誤動作をシーケンスする箱

Neutral Labs Scroogeのイラスト(実機を参考に作成)。明るい竹の木枠に黒いパネル、奥に小さな黒いノブが2列、中ほどに縦のスライダー、手前にオレンジのLEDつきの四角いボタンが横一列
2026年度DAWLESS機材 通信簿資料評価|実機検証前

機材名:Neutral Labs Scrooge担任:Mr. Nano

科目評価担任所見
発想の独自性信号駆動ボイス5たいへん
よくできました
誤動作を仕様にした、確信犯の設計です。
シーケンス性能Pロック・64ステップ4壊れ方をステップ単位で予約できます。
音質・音の個性5声のアナログノイズ4整った音は最初から目指していません。
音色の汎用性1きれいな音の日には出番がありません。
入手・サポート2国内の窓口は細い道です。
総合評価3/5

誤動作をシーケンスする箱です。5つのアナログボイスが、専用電源ではなく制御信号で駆動されるという変則設計。パラメータロック付きのシーケンサーで、壊れ方を打ち込めます。

5=主力として非常に優秀/4=明確な強みがある/3=実用的だが工夫が要る/2=制約が大きく用途を選ぶ/1=この用途では勧めにくい。評価項目は機材ごとの得意・不得意に合わせて選んでいます。順位付けや他の機材との点数比較はしません。「資料評価」はメーカー資料・公開情報に基づく採点で、実機検証後に更新します。

「計画的な誤動作」

計画書を発見しました。表題「誤動作の時間割」。

5つのボイスを、正しくない電気の流し方で駆動する。壊れ方はステップごとに予約済み。

「それは故障では?」——いいえ、時間割どおりの故障は、演奏と呼びます。

提出者はScrooge。受理します。

この一席は、通信簿の評点と本文の事実に基づいた創作です。

この記事でわかること

  • 誤動作をシーケンスする箱、Neutral Labs Scroogeの紹介
  • 仕様の要点と、どんな人に合うか
  • 所有機材との比較の視点も

「誤動作の発生器」という名乗り

Scroogeの公式の肩書きは「Sequenced malfunction generator」——シーケンスされる誤動作の発生器です。42HPのユーロラック・モジュール版と、セミモジュラーのデスクトップ版があります(Neutral Labs公式)。

中身は5つの独立した完全アナログのボイス。変わっているのは駆動のしかたで、専用の電源ではなくシーケンサーの制御信号でボイスを鳴らす変則的な回路になっています。そのため鳴り方が有機的で不安定になり、「誤動作」という名乗りにつながっています。外部からシーケンスすれば、電源なしでも動きます。

シーケンサーは意外としっかりしています。パラメーターロック、トラックごとに最大64ステップの任意長、最大32パターンのチェイン、16バンク×128パターンの保存。演奏中に変化を作る生成アルゴリズムも入っています。接続はメイン出力2(ヘッドホン可)、各ボイスの個別出力、ボイスごとのCV入力、独立ルーティングの変調トラック2、Sync入出力、MIDI入力(TRS Type A)。外部機材のシーケンスもできます。

価格は、完成品のユーロラック版がElevator Soundで£549(英VAT込・約11.9万円/税抜£457.50)で取り寄せ。DIYキットはThonkでデスクトップ版£295(約6.4万円)、ユーロラック版£245(約5.3万円)で在庫あり(いずれも税抜表示、SMDは実装済み)。国内の取扱いは見つかりませんでした(2026年8月19日確認)。

Neutral Labsの公式チャンネルに製品紹介動画を確認できなかったため、この記事では動画を載せていません。動作の様子はmylarmelodiesやStarsky Carrなどのレビュー動画で確認できます。

Neutral Labs公式の紹介動画です。「故障をシーケンスする」という説明がどういう音になるのか、短い時間で分かります。

仕様のポイント

  • 5つの独立した完全アナログのボイス。専用電源ではなくシーケンサーの制御信号で駆動する変則的な回路
  • シーケンサー: パラメーターロック、トラックごとに最大64ステップの任意長、最大32パターンのチェイン、16バンク×128パターンの保存
  • 演奏中に変化や新しいパターンを作る生成アルゴリズムを内蔵。外部機材のシーケンスも可能
  • 接続: メイン出力2(ヘッドホン可)、各ボイスの個別出力、ボイスごとのCV入力、変調トラック2(独立ルーティング)、Sync入出力、MIDI入力(TRS Type A)
  • ユーロラック版は42HP・奥行25mm、消費電流 +12V 75〜100mA/-12V 0mA。デスクトップ版は5VのUSB電源。外部からシーケンスすれば無給電でも動作
  • 価格: 完成品ユーロラック£549(英VAT込・約11.9万円/税抜£457.50)、DIYキットはデスクトップ£295・ユーロラック£245(税抜)。国内取扱いは確認できず(2026年8月19日確認)

うちの機材で言えば

うちのリズム係はTR-6SとSyntaktで、どちらも「打った通りに、毎回同じように」鳴ります。Scroogeはその逆で、同じパターンでも鳴り方が毎回ずれる。ドラムマシンというより、リズムの形をしたノイズ発生器と考えたほうが近いと思います。

面白いのは、シーケンサー部分がElektron的にきちんとしていることです(パラメーターロックがあり、64ステップの任意長が組める)。つまり「作り込めるのに、出音は言うことを聞かない」。うちで使うならOXI ONE MKIIから叩いて、Octatrack MKIIで録る形。ただしDIYキットは英国から個人輸入ではんだ付け、完成品は12万円近くになるので、機材1年目で手を出す一台ではありません。

次に読む

出典

この記事は未所有機材の紹介記事です。仕様はメーカー公式資料等で確認しています(確認日: 2026年8月19日)が、実機での検証は行っていません。実機を入手した場合は、別途レビュー記事として書き直します。価格の円換算は2026年8月18〜19日時点の為替(1ドル≒159円、1ユーロ≒185円、1ポンド≒216円)による目安で、送料・関税・輸入消費税は含みません。

画像について: アイキャッチは実機の写真(公式画像)を参考に、形状・配色・配置を忠実になぞって描いたAIイラストです(ロゴや文字は省略。写真ではありません)。本文の4コマ漫画もAIで作成したイメージです。

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メーカー資料確認のみ|実機検証前

この記事はメーカー公式資料・公開情報に基づいています。個別機材の操作結果は、実機検証を行った時点で「検証済み」へ昇格させます。未検証の内容を「使ってみた」かのように書くことはしません(検証ポリシー)。